...われわれ健康者は総出で砂嚢をつくり...
石川欣一 「比島投降記」
...町中総出で、夜中にエイヤエイヤと懸声をかけもしてな」「どんな意味があるんだね?」老若男女が綱をにぎって、エイヤエイヤと引っぱり合う...
梅崎春生 「幻化」
...君は行き倒れ人として一旦(いったん)アパートへ引取られそれから親類総出でお葬式を営まれたのだ...
海野十三 「火葬国風景」
...とにかく学校総出でやった仕事で...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...毎日総出で朝から晩まで休む暇もない...
高村光太郎 「山の秋」
...わづか一兵卒(といつては失礼だけれど)を迎へるのに一村総出で来てゐる(佐賀市で出征兵士見送の時もさうだつた)...
種田山頭火 「行乞記」
...眼鏡の老婆や小娘たちや百姓が総出で...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...仮りにこの「清姫の帯」を、お豊でないほかの村の人が見たことならば、それこそ大騒ぎで、さきの修験者が小半時も村の方を見下ろしていた時分に、ほとんど総出で、この社へつめかけて来ねばならぬはずのところを、今まで来ないくらいだから、誰も見た者はないにきまっています...
中里介山 「大菩薩峠」
...座方が総出で声を嗄(か)らしてあやまっている光景は...
中里介山 「大菩薩峠」
...「ほんとに、あなた様なればこそ、こんなに御親切にして下さいました、ほかのお方でしたら、わたしはどんな目に逢っていたかわかりません」「いや、それがかえって仇(あだ)となるようでは、お互いに困るから、気をつけて帰り給え、君の旦那というのが、非常に腹を立っているそうだ」「そうかも知れません」「ただいま、浴槽(ゆぶね)で聞いたのだが、昨晩は君の姿が見えないために、総出で探し、どうしてもわからないから、君は駈落(かけおち)をしてしまったものときめているらしい」「え……?」「だから、そのつもりでお帰りなさい、事がむずかしければ、拙者が行って、証人に立って上げるから……」「そうかも知れません...
中里介山 「大菩薩峠」
...鯨ならばいいお客様ですよ――鯨なら浦が総出で...
中里介山 「大菩薩峠」
...村方総出で許されて来たんだぜ...
中里介山 「大菩薩峠」
...そんな晩、らんぷや行燈(あんどん)の下で、てんでの夜業をしていた家々の奥のものが、夜のお茶受けに、近所にはばかりながら買いにやるのだが――立食旦那の家内では、総出で、夜更けの屋台店に立並(なら)んでいる...
長谷川時雨 「鉄くそぶとり」
...一家総出で見ました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...たくさんの村々が総出で...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...築山の松の根元には村中総出で運んだ巨大な捨石...
山本笑月 「明治世相百話」
...二人が国のためになると思うたならば玄洋社が総出で板垣に加勢してやろう...
夢野久作 「近世快人伝」
...村の者は総出で駅に集っている...
横光利一 「欧洲紀行」
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