...すぐまえの青建物の貧民学校から、総出でくる、すぐそばの海員地区からも、つながってくる、このお仕置台に首をはさまれている、さらし物の見物で、去年竜舌蘭(りゅうぜつらん)の大輪が咲いたときのさわぎとはまたちがった、大へんな人だかりになるでしょう...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「幸福のうわおいぐつ」
...君は行き倒れ人として一旦(いったん)アパートへ引取られそれから親類総出でお葬式を営まれたのだ...
海野十三 「火葬国風景」
...叔父の一家は総出でお葬式の手伝いに出かけてゆくだろうから...
海野十三 「仲々死なぬ彼奴」
...医科大学の先生総出で...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...家内総出であって...
津村信夫 「月夜のあとさき」
...村総出で防水工事をやった...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...近所組合の人も総出で騒いだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...土地の人は総出で竜神の社へ集まり...
中里介山 「大菩薩峠」
...仮りにこの「清姫の帯」を、お豊でないほかの村の人が見たことならば、それこそ大騒ぎで、さきの修験者が小半時も村の方を見下ろしていた時分に、ほとんど総出で、この社へつめかけて来ねばならぬはずのところを、今まで来ないくらいだから、誰も見た者はないにきまっています...
中里介山 「大菩薩峠」
...家中総出で警戒していたにもかかわらず...
中里介山 「大菩薩峠」
...番頭の類(たぐい)の非戦闘員が総出で...
中里介山 「大菩薩峠」
...幕内の非戦闘員が総出で謝罪(あやま)っているのを仏頂寺は聞き流して...
中里介山 「大菩薩峠」
...村人が総出で、ただいま、勿来の古関のあとへ、雲突くばかりの怪盗が現われて、若い娘を脅(おどか)して、その後生大事な髪飾りを強奪した、そういう奴を許してはおけない、ということで、それが勿来の関に向って押しかけて来るところへ、白雲が、この被害品を小腋(こわき)にして、悠々(ゆうゆう)として下りて来たから、血気盛んな村の者が、かえって出鼻をくじかれているのを、「怪しいものじゃありませんよ、君たち、拙者は絵師です、旅の絵かきでござる、安心しなさい」と、まず安心させておいてから、白雲は、「野州足利(あしかが)の田山白雲という絵かきが拙者です、君たちの心配する目的物はこれだろう」と言って、例の香箱を目先に突きつけ、「は、は、は、娘さんが少々、狼狽(ろうばい)したのだ、よく、あらためて、当人に返しておやりなさい」村人は、突きつけられた香箱を前にして、目をパチクリやっているが、この男が、自分たちの予期した悪漢ではない、ということだけの合点(がてん)は行ったらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...在留日本人総出で出迎えをするように...
三浦環 「お蝶夫人」
...彼ら総出で何とも知れぬ大声で噪(さわ)ぎ立て...
南方熊楠 「十二支考」
...その子は町内の人たち総出で捜しだされた...
山本周五郎 「へちまの木」
...村の者は総出で駅に集っている...
横光利一 「欧洲紀行」
...小屋者総出で木戸前の打水や清掃がはじめられる...
吉川英治 「新・水滸伝」
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