...一つは、永(なが)の航海で、無聊(ぶれう)に苦んでゐたと云ふ事もあるのですが、当の砲術長はもとより、私たち総出で、事業服のまま、下は機関室から上は砲塔まで、さがして歩く――一通りの混雑ではありません...
芥川龍之介 「猿」
...すぐまえの青建物の貧民学校から、総出でくる、すぐそばの海員地区からも、つながってくる、このお仕置台に首をはさまれている、さらし物の見物で、去年竜舌蘭(りゅうぜつらん)の大輪が咲いたときのさわぎとはまたちがった、大へんな人だかりになるでしょう...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「幸福のうわおいぐつ」
...町中総出で、夜中にエイヤエイヤと懸声をかけもしてな」「どんな意味があるんだね?」老若男女が綱をにぎって、エイヤエイヤと引っぱり合う...
梅崎春生 「幻化」
...君は行き倒れ人として一旦(いったん)アパートへ引取られそれから親類総出でお葬式を営まれたのだ...
海野十三 「火葬国風景」
...いつも総出で参加した...
海野十三 「空襲葬送曲」
...会計部の手すきのものが総出で...
江戸川乱歩 「算盤が恋を語る話」
...家内総出であって...
津村信夫 「月夜のあとさき」
...防水護岸の為一村(いっそん)の男総出で堤防に群(むら)がって居ると...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...鯨ならばいいお客様ですよ――鯨なら浦が総出で...
中里介山 「大菩薩峠」
...村人が総出で、ただいま、勿来の古関のあとへ、雲突くばかりの怪盗が現われて、若い娘を脅(おどか)して、その後生大事な髪飾りを強奪した、そういう奴を許してはおけない、ということで、それが勿来の関に向って押しかけて来るところへ、白雲が、この被害品を小腋(こわき)にして、悠々(ゆうゆう)として下りて来たから、血気盛んな村の者が、かえって出鼻をくじかれているのを、「怪しいものじゃありませんよ、君たち、拙者は絵師です、旅の絵かきでござる、安心しなさい」と、まず安心させておいてから、白雲は、「野州足利(あしかが)の田山白雲という絵かきが拙者です、君たちの心配する目的物はこれだろう」と言って、例の香箱を目先に突きつけ、「は、は、は、娘さんが少々、狼狽(ろうばい)したのだ、よく、あらためて、当人に返しておやりなさい」村人は、突きつけられた香箱を前にして、目をパチクリやっているが、この男が、自分たちの予期した悪漢ではない、ということだけの合点(がてん)は行ったらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...一家総出で見に行く...
中島敦 「光と風と夢」
...扈従が総出で湖畔を隈なくたずねまわったが...
久生十蘭 「泡沫の記」
...ニューヨークにいらっしゃる日本人が総出でお出迎いして下さったのです...
三浦環 「お蝶夫人」
...C町の婦人会の奥さん達が総出で...
三好十郎 「おスミの持参金」
...総出で見られることを意識して...
柳田国男 「故郷七十年」
...二人が国のためになると思うたならば玄洋社が総出で板垣に加勢してやろう...
夢野久作 「近世快人伝」
...犬目付や町奉行の手が総出で...
吉川英治 「大岡越前」
...総出でもてなした...
吉川英治 「三国志」
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