...大緋鯉(おほひごひ)がゐると云ふ噂(うはさ)ありしが...
芥川龍之介 「雑筆」
...緋鯉に属(つ)くが当前(あたりまえ)だけれどもね...
泉鏡花 「霰ふる」
...緋鯉(ひごい)の鰭(ひれ)のこぼれかかる真白(まっしろ)な足袋はだしは...
泉鏡花 「怨霊借用」
...ばちり! ばちり!水面に踊りあがる大きな緋鯉の姿が...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...去年初雪より以来(このかた)二百日あまり黒闇(まつくら)の水のなかにありし金魚(きんぎよ)緋鯉(ひこひ)なんどうれしげに浮泳(うかみおよぐ)も言(ものいはゞ)やれ/\うれしやといふべし...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...道楽隠居が緋鯉(ひごい)にも飽きた...
太宰治 「黄村先生言行録」
...池には鯉と緋鯉(ひごい)とすっぽんがいる...
太宰治 「逆行」
...・吸はねばならない血を吸うて殺された蚊で・とまればたたかれる蠅のとびまはり・炎天の雲はない昼月・草すゞし人のゆくみちをゆく・炎天の機械と人と休んでゐる・木かげたゝへた水もほのかに緋鯉のいろ・茄子胡瓜胡瓜茄子ばかり食べる涼しさ七月十三日朝月はよいな...
種田山頭火 「其中日記」
...子供に緋鯉(ひごい)を見せているお島の姿を見つけると...
徳田秋声 「あらくれ」
...泳いでゐる緋鯉のやうに...
中原中也 「良子」
...庭も広く紅白梅の林を前にした大きな池には年古る緋鯉が無数に住んでゐて...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...かの大緋鯉も生きながら埋められてしまひ...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...何しろかの親戚の家の見事な緋鯉さへも生埋めにされてしまふ怖しい世の中...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...緋鯉が跳ねたのだろう大きな渦巻が重なり合ってはみだれていた...
正岡容 「小説 圓朝」
...金魚やら支那金魚やら緋鯉やら鯰やら...
正岡容 「寄席」
...緋鯉(ひごひ)の背の浮ぶ庭の池の飛石に...
水野仙子 「嘘をつく日」
...まだその頃は上野の動物園にも金魚や緋鯉の「魚のぞき」が...
山本笑月 「明治世相百話」
...緋鯉(ひごい)や...
横光利一 「上海」
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