...三越に緋毛氈を、松屋に五人囃と貝雛とを買ひ、貧しく乏しい心を抱いて衢に出ると、雨がハラハラと降つて來た...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...緋毛氈(ひもうせん)を敷きつめる...
竹久夢二 「春」
...二畳ばかりの緋毛氈(ひもうせん)を敷き...
谷崎潤一郎 「秘密」
...人家の欄干に敷き連ねた緋毛氈(ひまうせん)の古びた色と山鉾の柄に懸けたゴブラン織の模樣とは今も猶目に殘つてゐる...
永井荷風 「十年振」
...お浚(さら)いの座敷の緋毛氈(ひもうせん)...
永井荷風 「深川の唄」
...出窓の格子を取りのけ板硝子を張つた中に緋毛氈を敷き...
永井荷風 「来訪者」
...緋毛氈(ひもうせん)の腰掛を据えて「お茶を差上げます」と書いた柱掛けなどが下がっております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...菓子箱と緋毛氈(ひまうせん)を背負ひ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...幾面も緋毛氈(ひもうせん)の上にならべてあった...
長谷川時雨 「江木欣々女史」
...中央の畳に緋毛氈(ひもうせん)を敷き...
長谷川時雨 「旧聞日本橋」
...そこへ町家の人たちが緋毛氈(ひもうせん)を敷き...
正岡容 「寄席」
...父母とともに行く歌舞伎座(かぶきざ)や新富座の緋毛氈(ひもうせん)の美しい棧敷(さじき)とは打って変って薄暗い鉄格子(てつごうし)の中から人の頭を越して覗(のぞ)いたケレンだくさんの小芝居の舞台は子供の目にはかえって不思議に面白かった...
水上滝太郎 「山の手の子」
...緋毛氈(ひもうせん)を敷き...
水上滝太郎 「山の手の子」
...緋毛氈(ひもうせん)の敷かれていた俄か造りの涼み台は...
山川方夫 「昼の花火」
...酒丸安樂寺境内裏の笹山にて緋毛氈敷二人自害一人は宇都宮左衛門 傍に肩先鐵砲受候者一人居候を生捕斬首宇都宮は紫緘の革の鎧陣羽織を着其上ござ着て打たれ申候大小一腰金子二十兩有之西岡自殺鎧傍に捨あり金銀糸にて縫候もの着用外三人亦綸子金銀の縫也栗原にてきり取候十二の首は俵に詰め馬につけ土浦へ送申候慘話續々...
横瀬夜雨 「天狗塚」
...そして緋毛氈(ひもうせん)の上へ的台(まとうだい)のかわりになってあぐらをくみ...
吉川英治 「江戸三国志」
...緋毛氈(ひもうせん)でつつまれていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...緋毛氈(ひもうせん)をしき...
吉川英治 「宮本武蔵」
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