...緋(ひ)や赤を好む者は子供か又は劣等なる地位に居るものと言うて良い...
石田孫太郎 「猫と色の嗜好」
...唯、こゝで言ふのは、言ふのさへ、餘り町じみるが、あの背負揚とか言ふものゝ、灯の加減で映るのだらうか、ちら/\と……いや、霧が凝つたから、花片、緋の葉、然うは散らない、すツすツと細く、毛引の雁金を紅で描いたやうに提灯に映るのが、透通るばかり美しい...
泉鏡花 「遺稿」
...緋の色した鸚鵡(おうむ)の口から...
泉鏡花 「印度更紗」
...画面の小町は壺織の裲襠(うちかけ)に緋の大口を穿(うが)っているのは...
上村松園 「「草紙洗」を描いて」
...緋縁どりが施してあった...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...間もなく緋縮緬のちゃんちゃんを着た本当の狆(ちん)を二匹連れて来て...
谷崎潤一郎 「少年」
...私が以前『緋のエチュード』と題して記録したささやかな本や...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「患者兼同居人」
...「これが僕らの緋のエチュードの結果だ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...緋色(ひいろ)のイギリス歩兵と黒ずんだブルンスウィックの歩兵との混合...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...水鳥などの形をした虫籠に緋色の総をさげてりんりんれんれん松虫や鈴虫を鳴かせてゐる...
中勘助 「銀の匙」
...表通岩谷天狗(いわやてんぐ)の煙草店に雇われたる妙齢の女店員(おんなてんいん)いつもこの横町に集りて緋(ひ)の蹴出(けだ)しあらはにして頻(しきり)に自転車の稽古するさま折々目の保養となりしも既に過ぎし世のこととぞなりぬる...
永井荷風 「書かでもの記」
...緋(ひ)の襦袢(じゅばん)が...
中里介山 「大菩薩峠」
...またあるいは寒緋桜(かんひざくら)ともいわれている...
牧野富太郎 「植物記」
...二三日前遊園地のわきで緋房を踏み隠した老人が扉口に凭りかかっていたが...
松本泰 「日蔭の街」
...一匹の緋鯉が沈んでいた...
山川方夫 「その一年」
...人形は菊菱の紋を散らした緋縮緬の長襦袢をつけ...
山本禾太郎 「抱茗荷の説」
...それはどこの者で」「黒装束(くろしょうぞく)はみな緋(ひ)おどし谷(だに)にいた若い女子(おなご)...
吉川英治 「神州天馬侠」
...緋の袴に白袖の神の仕(つか)え女(め)が「――かもめの群れ居たるによく似たり」と旧記にもあるほどたくさんにいたらしい...
吉川英治 「随筆 新平家」
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