...今でも怪しい御袴の緋の色が...
芥川龍之介 「地獄變」
...丁度墨染(すみぞめ)の麻の衣の禅匠が役者のような緋(ひ)の衣の坊さんを大喝(だいかつ)して三十棒を啗(くら)わすようなものである...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...九十余りの骸骨のやうな山下管長が緋の袈裟(けさ)を被(かぶ)つて...
薄田泣菫 「茶話」
...そろそろ猩々緋(しょうじょうひ)の花をひらきかけていた...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...・青麦ひろ/″\ひらけるこゝろ業平塚・はこべ花さく旅のある日のすなほにも枯草にかすかな風がある旅で無量寿寺くもりおそく落ちる椿の白や赤や明治用水々源池さくらがちれば酒がこぼれます緋桃白桃お嫁さんに逢ふ依佐美無電局花ぐもりの無電塔はがつちりとして四月十七日曇...
種田山頭火 「旅日記」
...緋縮緬の長い蹴出しであった...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...象牙をも欺(あざ)むく色白の額ぎわで巾の狭い緋の抹額(もこう)を締めていたが...
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 二葉亭四迷訳 「あいびき」
...緋(ひ)色の肩衣のついた白の長衣を...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...石榴花の赤きは高僧のまとへる緋(ひ)の衣(ころも)の色に似たり...
永井荷風 「一夕」
...緋(ひ)の平(ひら)ぐけが背の処に見えて言はずと知れしこのあたりの姉さま風なり...
永井荷風 「桑中喜語」
...出窓の格子を取りのけ板硝子を張つた中に緋毛氈を敷き...
永井荷風 「来訪者」
...緋鹿(ひか)の子(こ)の結綿で足を縛られて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...緋縮緬(ひぢりめん)の腰巻が一つ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...地にひきずるほどの長小袖の袖口から緋縮緬(ひぢりめん)の襦袢(じゅばん)の襟(えり)を二寸もだし...
久生十蘭 「鈴木主水」
...勿論(もちろん)下にはお定(さだま)りの緋縮緬(ひぢりめん)の等身(ついたけ)襦袢...
二葉亭四迷 「浮雲」
...緋金錦(ひごんき)とかいう織物で...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...賜緋魚袋(しひぎょたい)...
森鴎外 「寒山拾得」
...わざと緋(ひ)おどし谷(だに)にのこって...
吉川英治 「神州天馬侠」
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