...岡は上手(じょうず)に入れられた甘露(かんろ)をすすり終わった茶(ちゃ)わんを手の先に据(す)えて綿密にその作りを賞翫(しょうがん)していた...
有島武郎 「或る女」
...彼はゴリラの身体を綿密に検べ終って顔を上げた...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...書斎の中にある物を前よりももっと綿密に調べにかかった...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...御自身いやしき伯楽の如くお手づから馬の口の中まで綿密にお調べになつたくらゐで...
太宰治 「右大臣実朝」
...中によく綿密に考えたものだと思うて感心する...
寺田寅彦 「雑感」
...よし一々の人の論議を取て綿密に分析したならば此共通傾向に矛盾する樣なことがあるとするも...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...楊守敬も其の當時綿密に讀んだかどうか分りませぬが...
内藤湖南 「弘法大師の文藝」
...綿密によく行き渡っています...
「木下杢太郎著『唐草表紙』序」
...この半紙の山を綿密に読み通す夫の困難も細君には想像出来なかった...
夏目漱石 「道草」
...綿密に連動協力し...
久生十蘭 「悪の花束」
...おそろしく綿密に訊ねた――つまり...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...その後間もなく外人嫌いの精神は俄(にわか)に進歩して殺人(ひとごろし)の法が綿密になり...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...暫く綿密に捜してゐるうちに...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...この現象を綿密に調査した表俊一郎博士によると...
武者金吉 「地震なまず」
...文化十年以後の景樹の歌を綿密に検したが...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...もっと綿密に彼らを検討しなければならないのである)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...むろんそれから家内中の者を綿密に調べてみたが...
夢野久作 「近眼芸妓と迷宮事件」
...もし我々が綿密に『源氏物語』を検するならば...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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