...綿々として感情を縷述(るじゅつ)する事をせず...
高浜虚子 「俳句への道」
...綿々として古今の歴史と風俗とを貫いて生きている...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...』どうも綿々として尽きない...
谷譲次 「踊る地平線」
...それから三十分にも亘(わた)って綿々と訴えるのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...いくら掻(か)き消すようにしても綿々として思い重なってくる女のことを胸から追い払うようにして...
近松秋江 「狂乱」
...朝の遅(おそ)い廓(くるわ)では今ごろはまだ眠っているであろう」そんなことが綿々として...
近松秋江 「黒髪」
...ビーコンスフィールド諸公がアフリカもしくはアジアの諸蛮族と綿々として絶えざる無名の戦争をなし...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...その時の綿々とした情緒とが...
永井荷風 「雪の日」
...綿々として綴つてあつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...綿々として断えず...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...綿々とつらぬき流れてゆく女の心の含蓄という奥ゆきが...
宮本百合子 「「愛怨峡」における映画的表現の問題」
...なぜそのような変化が生じるかということについては社会的な原因が綿々と過去につらなっている...
宮本百合子 「映画の恋愛」
...女の生涯は綿々としてうつりすすみつつあるのだが...
宮本百合子 「現実の道」
...子守りうたかなにかのように、あまやかに、綿々と、彼を包み、彼をあやすように思えた...
山本周五郎 「山彦乙女」
...Q川を繞る綿々とした濃霧の中では...
横光利一 「静かなる羅列」
...呂布の暴虐に対する城中の民の恨みが綿々と書いてある...
吉川英治 「三国志」
...文は綿々と長かったが...
吉川英治 「三国志」
...国外千里の異境に、名もわからず、花一枝の手向(たむけ)もうけず、天の星とともに黙している土中の白骨にも、いわせれば、綿々と、憂国の所以(ゆえん)を吐くかもしれない...
吉川英治 「新書太閤記」
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