...戸倉老人の口から綿々として語りつがれるとき...
海野十三 「少年探偵長」
...綿々として感情を縷述(るじゅつ)する事をせず...
高浜虚子 「俳句への道」
...いくら掻(か)き消すようにしても綿々として思い重なってくる女のことを胸から追い払うようにして...
近松秋江 「狂乱」
...こゝに初めて綿々として盡きない情緒が湧起つて來る――別れて後むかしの戀を思返すやうな心持である...
永井荷風 「蟲の聲」
...その時の綿々とした情緒とが...
永井荷風 「雪の日」
...平野のさきには國境の高山が綿々として相連互して居る...
長塚節 「彌彦山」
...綿々として綴つてあつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...綿々として尽きざる恨みを京子に対して抱いている事を知っている筈だ...
橋本五郎 「殺人迷路」
...糸を繰りだすように綿々と咽びつづける...
久生十蘭 「海豹島」
...そんなところに寝っころがっていられちゃ眼障りで仕様がない」という風に綿々とからみ始めると...
久生十蘭 「魔都」
...こんなことを綿々と書いていても仕様がないから...
久生十蘭 「魔都」
...綿々として断えず...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...女の生涯は綿々としてうつりすすみつつあるのだが...
宮本百合子 「現実の道」
...代々の人間が何のために生きたのか分らないような苦労をつづけて生涯をこんなに綿々とつづけて来てもいないでしょうものね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...五時間(八時まで)縷々綿々として...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...しばらく別れていた淋しさをまた綿々とのべ始めた...
横光利一 「馬車」
...綿々として淑やかな手紙が書き得るのか...
横光利一 「火の点いた煙草」
...国外千里の異境に、名もわからず、花一枝の手向(たむけ)もうけず、天の星とともに黙している土中の白骨にも、いわせれば、綿々と、憂国の所以(ゆえん)を吐くかもしれない...
吉川英治 「新書太閤記」
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