...戸倉老人の口から綿々として語りつがれるとき...
海野十三 「少年探偵長」
...哀訴歎願の言葉が綿々と書きつらねてあった...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...綿々として感情を縷述(るじゅつ)する事をせず...
高浜虚子 「俳句への道」
...いくら掻(か)き消すようにしても綿々として思い重なってくる女のことを胸から追い払うようにして...
近松秋江 「狂乱」
...朝の遅(おそ)い廓(くるわ)では今ごろはまだ眠っているであろう」そんなことが綿々として...
近松秋江 「黒髪」
...ビーコンスフィールド諸公がアフリカもしくはアジアの諸蛮族と綿々として絶えざる無名の戦争をなし...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...綿々としてあの女のために糸を引かれてたまらない...
中里介山 「大菩薩峠」
...綿々として綴つてあつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...綿々とコン吉をかき口説くのであった...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...そんなところに寝っころがっていられちゃ眼障りで仕様がない」という風に綿々とからみ始めると...
久生十蘭 「魔都」
...話上手に任せて世間話をしている心持で綿々として盡くる事なく書かれているのだから...
平山蘆江 「大菩薩峠芝居話」
...綿々として断えず...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...五時間(八時まで)縷々綿々として...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...蔵人少将は例のように綿々と恨みを書いて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...Q川を繞る綿々とした濃霧の中では...
横光利一 「静かなる羅列」
...しばらく別れていた淋しさをまた綿々とのべ始めた...
横光利一 「馬車」
...綿々として淑やかな手紙が書き得るのか...
横光利一 「火の点いた煙草」
...国外千里の異境に、名もわからず、花一枝の手向(たむけ)もうけず、天の星とともに黙している土中の白骨にも、いわせれば、綿々と、憂国の所以(ゆえん)を吐くかもしれない...
吉川英治 「新書太閤記」
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