...まづ未醒老人に綿々と愚痴(ぐち)を述べるつもりなり...
芥川龍之介 「田端人」
...当時の記憶は綿々として憶浮べるままを尽くいおうとすれば限りがない...
内田魯庵 「四十年前」
...戸倉老人の口から綿々として語りつがれるとき...
海野十三 「少年探偵長」
...哀訴歎願の言葉が綿々と書きつらねてあった...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...綿々として感情を縷述(るじゅつ)する事をせず...
高浜虚子 「俳句への道」
...それから三十分にも亘(わた)って綿々と訴えるのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...ビーコンスフィールド諸公がアフリカもしくはアジアの諸蛮族と綿々として絶えざる無名の戦争をなし...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...こゝに初めて綿々として盡きない情緒が湧起つて來る――別れて後むかしの戀を思返すやうな心持である...
永井荷風 「蟲の聲」
...その時の綿々とした情緒とが...
永井荷風 「雪の日」
...綿々としてあの女のために糸を引かれてたまらない...
中里介山 「大菩薩峠」
...綿々として尽きざる恨みを京子に対して抱いている事を知っている筈だ...
橋本五郎 「殺人迷路」
...綿々と失楽園の嘆きをうたいあげた...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...綿々と語られてゐただけのやうでした...
堀辰雄 「匈奴の森など」
...綿々とつらぬき流れてゆく女の心の含蓄という奥ゆきが...
宮本百合子 「「愛怨峡」における映画的表現の問題」
...代々の人間が何のために生きたのか分らないような苦労をつづけて生涯をこんなに綿々とつづけて来てもいないでしょうものね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...子守りうたかなにかのように、あまやかに、綿々と、彼を包み、彼をあやすように思えた...
山本周五郎 「山彦乙女」
...呂布の暴虐に対する城中の民の恨みが綿々と書いてある...
吉川英治 「三国志」
...そう綿々と話しかけたが...
吉川英治 「源頼朝」
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