...何だかへんな議論が綿々(めんめん)と書いてある...
芥川龍之介 「田端日記」
...哀訴歎願の言葉が綿々と書きつらねてあった...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...互に綿々たる深讎(しんしゅう)を含むと雖(いえど)も...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...綿々として感情を縷述(るじゅつ)する事をせず...
高浜虚子 「俳句への道」
...先聖古徳の行持綿々密々なるにうたれる...
種田山頭火 「其中日記」
...この身には話すことを敢てしないことをかれに綿々として話してゐるかの女がゐる...
田山花袋 「道綱の母」
...いくら掻(か)き消すようにしても綿々として思い重なってくる女のことを胸から追い払うようにして...
近松秋江 「狂乱」
...綿々切々の情緒を絃の音に乘せたやうな美しいアナウンスには...
成澤玲川 「ラヂオ閑話」
...哀調綿々たる歔欷(すすりなき)では有りませんか?凝然(じっと)黙って居た二人は...
西尾正 「陳情書」
...糸を繰りだすように綿々と咽びつづける...
久生十蘭 「海豹島」
...綿々と失楽園の嘆きをうたいあげた...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...なぜそのような変化が生じるかということについては社会的な原因が綿々と過去につらなっている...
宮本百合子 「映画の恋愛」
...Q川を繞る綿々とした濃霧の中では...
横光利一 「静かなる羅列」
...しばらく別れていた淋しさをまた綿々とのべ始めた...
横光利一 「馬車」
...綿々たる愚痴にとらわれていてどうなりましょう」「そうだ...
吉川英治 「三国志」
...そうした心境を綿々(めんめん)と書中に託して...
吉川英治 「三国志」
...と、詰問的に責めているのを第一条として、そのほか十六条にわたって、義昭の不信、悪政、陰謀、公事訴訟(くじそしょう)の依怙(えこ)から、金銀の横領などにわたる私的行為の不徳までを、綿々、烈々、辞句にかざりもなく認(したた)めて突きつけた弾劾文(だんがいぶん)であったのである...
吉川英治 「新書太閤記」
...倶に天を戴き得ない深讐綿々たる怨の敵……とは云え...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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