...まづ未醒老人に綿々と愚痴(ぐち)を述べるつもりなり...
芥川龍之介 「田端人」
...「水滸伝(すゐこでん)」「西遊記(さいいうき)」「金瓶梅(きんぺいばい)」「紅楼夢(こうろうむ)」「品花宝鑑(ひんくわはうかん)」等の長篇を絮々綿々(じよじよめんめん)と書き上げる肉体的力量には劣つてゐると思つてゐる...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...二時となり三時となっても話は綿々として尽きないで...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...綿々たる夜語りに時間を送つたのである...
海野十三 「心靈研究會の怪」
...仇敵黄金仮面に対する深讎綿々(しんしゅうめんめん)たる闘志を...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...互に綿々たる深讎(しんしゅう)を含むと雖(いえど)も...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...将軍家はその綿々たる陳情書をつくづくと御覧になり...
太宰治 「右大臣実朝」
...後に見るように今日まで綿々としてつきないのも...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...その時の綿々とした情緒とが...
永井荷風 「雪の日」
...綿々(めんめん)と語り...
長谷川時雨 「松井須磨子」
...糸を繰りだすように綿々と咽びつづける...
久生十蘭 「海豹島」
...綿々と失楽園の嘆きをうたいあげた...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...話上手に任せて世間話をしている心持で綿々として盡くる事なく書かれているのだから...
平山蘆江 「大菩薩峠芝居話」
...綿々として断えず...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...それよりも先きにかれは綿々の情に耐えざるの風姿があった...
室生犀星 「庭をつくる人」
...間もなく彼らを取り巻く花と空との明るさはその綿々(めんめん)とした異曲のために曇るであろう...
横光利一 「花園の思想」
...そうした心境を綿々(めんめん)と書中に託して...
吉川英治 「三国志」
...これからまだ綿々(めんめん)の情(じょう)を夫婦の室で惜しみ合うことであるのだろう...
吉川英治 「私本太平記」
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