...まづ未醒老人に綿々と愚痴(ぐち)を述べるつもりなり...
芥川龍之介 「田端人」
...綿々たる夜語りに時間を送つたのである...
海野十三 「心靈研究會の怪」
...傑作をうちながめる人たれか心に浮かぶ綿々たる無限の思いに...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...綿々として感情を縷述(るじゅつ)する事をせず...
高浜虚子 「俳句への道」
...そこでまた自分ながら感心するほど綿々密々として...
種田山頭火 「私の生活」
...この身には話すことを敢てしないことをかれに綿々として話してゐるかの女がゐる...
田山花袋 「道綱の母」
...いくら掻(か)き消すようにしても綿々として思い重なってくる女のことを胸から追い払うようにして...
近松秋江 「狂乱」
...こゝに初めて綿々として盡きない情緒が湧起つて來る――別れて後むかしの戀を思返すやうな心持である...
永井荷風 「蟲の聲」
...綿々として尽きざる恨みを京子に対して抱いている事を知っている筈だ...
橋本五郎 「殺人迷路」
...こんなことを綿々と書いていても仕様がないから...
久生十蘭 「魔都」
...綿々とつらぬき流れてゆく女の心の含蓄という奥ゆきが...
宮本百合子 「「愛怨峡」における映画的表現の問題」
...代々の人間が何のために生きたのか分らないような苦労をつづけて生涯をこんなに綿々とつづけて来てもいないでしょうものね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...恨み綿々などと書いた碑文も漢語で...
柳田国男 「雪国の春」
...……その老母より綿々(めんめん)とわびしさを便りして参ったので...
吉川英治 「三国志」
...いつまで綿々嫋々(じょうじょう)と...
吉川英治 「三国志」
...そうした心境を綿々(めんめん)と書中に託して...
吉川英治 「三国志」
...と、詰問的に責めているのを第一条として、そのほか十六条にわたって、義昭の不信、悪政、陰謀、公事訴訟(くじそしょう)の依怙(えこ)から、金銀の横領などにわたる私的行為の不徳までを、綿々、烈々、辞句にかざりもなく認(したた)めて突きつけた弾劾文(だんがいぶん)であったのである...
吉川英治 「新書太閤記」
...さっきから綿々と洩れ聞えて...
吉川英治 「源頼朝」
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