...桐(きり)に鳳凰(ほうわう)の繍(ぬひ)のある目のさめるやうな綺麗(きれい)な仕掛(しかけ)を羽織(はお)つてゐたと云ふぢやないか...
芥川龍之介 「南瓜」
...綺麗にふき清めた長火鉢――それをそとにした屏風のかこひの薄暗がり――二枚がさねのやはらかい夜着...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...あそこの浜辺に綺麗(きれい)な貝殻がたくさんありますから...
鈴木三重吉 「千鳥」
...佐助は鯛のあら煮(に)の身をむしること蟹蝦(かにえび)等の殻(から)を剥(は)ぐことが上手(じょうず)になり鮎(あゆ)などは姿を崩(くず)さずに尾の所から骨を綺麗(きれい)に抜(ぬ)き取った〕頭髪(とうはつ)もまた非常に多量で真綿のごとく柔くふわふわしていた手は華車(きゃしゃ)で掌がよく撓(しな)い絃を扱うせいか指先に力があり平手で頬を撲(う)たれると相当に痛かった...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...生れて始めての綺麗な羽根蒲団で寝た...
寺田寅彦 「蓑田先生」
...かすかなバイオリンの哀音を聞かせるのが割に綺麗に聞きとれるので...
寺田寅彦 「ラジオ雑感」
...拭ってもなかなか綺麗になりません...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...うち晴れた穏かな夜で、月が綺麗だった...
豊島与志雄 「霧の中」
...母は彼にいちばん綺麗(きれい)な服を着せてくれた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...だんだん綺麗に女らしくなるじゃないかと...
豊島与志雄 「常識」
...宿屋は案外綺麗で...
中谷宇吉郎 「荒野の冬」
...茶の間には綺麗(きれい)な長火鉢(ながひばち)に鉄瓶(てつびん)が鳴っていた...
夏目漱石 「こころ」
...何方も負けず劣らず綺麗だから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...面(めん)は菩薩(ぼさつ)樣のやうに綺麗だが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...紅葉(もみぢ)が綺麗(きれい)に色づき...
宮原晃一郎 「竜宮の犬」
...「東綺譚」にしろ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...呪文(じゅもん)と云うものを綺麗に忘れたいものだ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...彼の前を姉につれられた綺麗な十六七の少女がシヨウ・ウインドウの飾り附けを矢張り彼のやうにきよろきよろし見廻しながら歩いてゐた...
横光利一 「悲しみの代價」
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