...生まれかわらなければ回復しようのないような自分の越し方(かた)行く末が絶望的にはっきりと葉子の心を寒く引き締めていた...
有島武郎 「或る女」
...ここから演技に伴う人声の伴奏をなす所の、大きな太鼓の音と、三味線の単調な音とが、演出される場面に従って、或は悲しく、或は絶望的に、聞えて来る...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...更に絶望的に苛立っていったらしい...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...」クリストフは絶望的にくり返した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それから変に絶望的に落付いてしまったらしかった...
豊島与志雄 「同胞」
...絶望的に「斬った」月丸は...
直木三十五 「南国太平記」
...一人は全く絶望的に...
中村地平 「悪夢」
...そして絶望的に涙が爛れた睫に溢れるのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...人心が絶望的に呻吟して...
萩原朔太郎 「流行歌曲について」
...この理想と現実との間の深淵(しんえん)が彼にはより少く絶望的に思われる...
林芙美子 「新版 放浪記」
...この理想と現実との間の深淵が彼にはより少なく絶望的に思われる...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...ついには絶望的に自分の足までものろうような...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...もうどうしたって駄目なのか?」老人は絶望的に打ちひしがれて叫んだ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...絶望的にロンドンを眺めていたときだった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...絶望的に玉座を占めた自我と自由と狂気と...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「予言者の家で」
...人間の本能や欲望が絶望的に抑圧され...
矢部貞治 「政治学入門」
...私を絶望的に悲しませたのです...
夢野久作 「少女地獄」
...姉をよぶ声が次第に絶望的になってきた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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