...或者は全くその理想の前途に絶望して人生に對する興味までも失ひ(幸徳の崇拜者であつた一人の青年の長野縣に於て鐵道自殺を遂げたことはその當時の新聞に出てゐた)...
石川啄木 「A LETTER FROM PRISON」
...これより以前から文学に絶望して衣食の道を他に求めるべく考えていたのがこの不快な絶望にいよいよ益々沮喪(そそう)して断然文学を思切るべく決心した...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...何里歩いたって仕様がないでしょう」私はもう殆ど絶望していた...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...この大先生の処方に絶望している様子であった...
太宰治 「惜別」
...私は絶望してその墓地から立ち去つた...
太宰治 「津軽」
...まだ兄さんが自分で考えているほどでありませんよ――あまり絶望して...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...あの人はまだ滅びてはいません! ただ絶望しているだけですから...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...絶望しての覚悟でなく...
直木三十五 「南国太平記」
...小説の述作に絶望して暫くは机に向ふ気にもなり得なかつたことがある...
永井荷風 「来訪者」
...人生にすつかり絶望してゐる種類の人間である...
萩原朔太郎 「酒に就いて」
...兵隊達は絶望してものをいうものもなかった...
久生十蘭 「海難記」
...絶望してしまうでしょう……こんなものお見せしたなんて...
久生十蘭 「蝶の絵」
...彼はいよいよ絶望してしまった...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...私は絶望して死のうと思ったことが何度あったかもしれません...
平林初之輔 「悪魔の聖壇」
...そんなにまるで絶望して羽搏きをする狂氣(きちがひ)の鳥のやうにもがいてはいけない...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...「……だが、もうどうでもいいんだ……」そんなにまで彼は疲れ、傷つき、絶望してゐた...
堀辰雄 「聖家族」
...その八十円を肥料屋と高利貸に役場で押えられた室三次の女房は絶望して発狂した等々...
宮本百合子 「一連の非プロレタリア的作品」
...そして絶望しているようなときでさえも...
山本周五郎 「落ち梅記」
便利!手書き漢字入力検索