...あの息子の神経質とあの両親の子煩悩(こぼんなう)では?――こんな風だから娘から少し消息が途絶えると...
犬養健 「愚かな父」
...争いの絶える望みはとうていない...
丘浅次郎 「動物の私有財産」
...起きてみつ寝てみつ胸中に恋慕の情絶える事無し...
太宰治 「花吹雪」
...事によると途絶えるかも知れないのであった...
徳田秋声 「仮装人物」
...」消息が絶えると...
徳田秋声 「爛」
...そして、それは、同時に(一家が、死絶えるのなら、せめて、姉さまを、母上を、手にかけた、その牧の息子を――百城月丸を殺して――)深雪は、狂人のように興奮してきた...
直木三十五 「南国太平記」
...初夜のつとめを終って一時ばかりまどろんだ後起き出でて夜明くるまで高声念仏が絶えることがなかった...
中里介山 「法然行伝」
...神田中の往来は日が暮れるとバッタリ絶える...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...彼は目がくらみ呼吸が絶えるであろう...
本庄陸男 「石狩川」
...一口二口で話が絶えると足音は南の家に這入つた...
正岡子規 「夏の夜の音」
...最悪性の発疹チフスがほとんど絶えることがない1)...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...息も絶えるやうな蒼白い惱みにがたがた震ひ上つてゐたが...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...頭の奥には苦痛の絶える隙(ひま)がない...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...いまにも息が絶えるかと思うように...
山本周五郎 「青べか物語」
...しばらくのあいだはいつも左手の指に白い巻き木綿の絶えるときがなかった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...藪が杜絶えると、下は一面の白ぢやけた砂原で、日が直射して、ギラ/\光つてゐる...
吉江喬松 「伊良湖の旅」
...兄の家が絶えることにもなる...
吉川英治 「三国志」
...水の明暗と、浅もみじ、濃もみじ、木洩れ陽の映光など、ことばに絶える...
吉川英治 「随筆 新平家」
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