...詩も作る、ヴァイオリンも弾(ひ)く、油絵の具も使う、役者も勤める、歌骨牌(うたがるた)も巧(うま)い、薩摩琵琶も出来るサア・ランスロットである...
芥川龍之介 「葱」
...おまえひとつこの石膏面に絵の具を塗ってドモ又の死に顔らしくしてくれ...
有島武郎 「ドモ又の死」
...甲冑堂の婦人像のあわれに絵の具のあせたるが...
泉鏡花 「一景話題」
...絵の具皿の上には一点の塵もとどめませんのみならず...
上村松園 「あゝ二十年」
...絵の具で書いた人形の目です...
江戸川乱歩 「怪人と少年探偵」
...そして、小さな箱にはいっている、絵の具と筆で、顔の変装をしました...
江戸川乱歩 「怪人と少年探偵」
...――絵の具だらけのずぼん・蒼白い額へ垂れさがる「憂鬱」な長髪・黒りぼんの大ネクタイと長いもみあげ・じっと卓上のアブサンを凝視している「深刻」な眼つき・新しい派の詩人とあたらしい派の画家と...
谷譲次 「踊る地平線」
...しまいには紅や絵の具を体へ塗り...
谷崎潤一郎 「少年」
...調子のごくごくいい日にはいいかげんに交ぜる絵の具の色や調子がおもしろいようにうまくはまって行く...
寺田寅彦 「自画像」
...いきなり絵の具箱を柵(さく)の上に置いてWCの壁にもたせかけ大急ぎのスケッチをしようとした...
寺田寅彦 「写生紀行」
...それをふかしたのの上にくちなしを溶かした黄絵の具で染めたものである...
寺田寅彦 「庭の追憶」
...絵の具も画架も揃ひ...
中原中也 「詩壇への願ひ」
...絵の具箱は酔興(すいきょう)に...
夏目漱石 「草枕」
...絵の具を乾かす時間が省(はぶ)けるだけでも大変重宝で...
夏目漱石 「門」
...「多分絵の具で書いた痣でございましょう...
野村胡堂 「江戸の火術」
...絵の具の塗り具合...
牧野信一 「鱗雲」
...どんな絵の具や金泥(きんでい)を盛りあげても描(か)きあらわせないほど華麗であった...
吉川英治 「親鸞」
...――油絵の具をもって現わし難いところを現わし得ているように思われる...
和辻哲郎 「院展日本画所感」
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