...前の絵かきとモデル女もそう云うつもりで此処(ここ)に暮らしていたのでしょうが...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...平生はただ美しいとばかりで不注意に見過ごしている秋の森の複雑な色の諧調(かいちょう)は全く臆病(おくびょう)な素人(しろうと)絵かきを途方にくれさせる...
寺田寅彦 「写生紀行」
...そこの崖の上で下の平野を写生していた素人絵かきがあった...
寺田寅彦 「中村彝氏の追憶」
...思想的にあまりさしさわりはないような文献学者や絵かきの類をよせ集める他はなかった...
戸坂潤 「一九三七年を送る日本」
...絵かきは酒飲みで怠け者で貧乏するから...
永井隆 「この子を残して」
...「この絵かきは話せる!」という心持にして...
中里介山 「大菩薩峠」
...絵かきが五十八人もいるのに...
中里介山 「大菩薩峠」
...もみあげのながい赤いワイシャツをきた絵かきふうの...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...ついさいきん」「それまでどこにいた」「ある絵かきさんのモデルをしてたんだけど...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...きっと、面白い話をしますから……」急いで話を探し出そうと、あわてふためきながら、しどろもどろな声で、「……あのね、……それは、ええと、……油絵の帆前船(ほまえせん)なんですけど、絵かきが、ボートを描(か)くことを忘れたもんだから、船が港へはいるたびに、船長さんは、陸(おか)まで泳がなくてはならないというの...
久生十蘭 「キャラコさん」
...絵かき仲間の四五人が拙者の旅出の祖道の宴を開いてくれたと思わっしゃれ...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...また昔、ある絵かきが、の弾く箏の音色を、隣りの間で聞きながら、絵を描いたとかいう話を聞いた...
宮城道雄 「春雨」
...そこは絵かきは重宝で色紙や扇がものを云うから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...絵かきの仕事も放り出してね...
三好十郎 「冒した者」
...絵かきたちだけの今でも遊んでいる空想境に...
柳田国男 「山の人生」
...「なんだ絵かきか」と巡査は云ってうなずいたかとおもうと「この辺には絵かきがずいぶんいるよ...
山之口貘 「野宿」
...陶器絵かきの細工部屋(さいくべや)...
吉川英治 「増長天王」
...「絵かきの道すたれ果て」とは言えぬのであるが...
和辻哲郎 「埋もれた日本」
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