...口をついて出る言葉言葉がどれもこれも絢爛(けんらん)な色彩に包まれていた...
有島武郎 「或る女」
...然(しか)れども花(はな)開(ひら)いて絢爛(けんらん)たり...
泉鏡花 「花間文字」
...見覚えのある「赤い苺の実」の絢爛(けんらん)たる舞台面が展開していた...
海野十三 「恐怖の口笛」
...そのくせ豪放絢爛(けんらん)たる建築美術を興(おこ)して桃山時代の栄華を現出させた人だが...
太宰治 「庭」
...その絢爛(けんらん)たる花をひらき...
太宰治 「人間失格」
...第一に目につきましたのが一月一日の新聞『棚橋絢子刀自と令息一郎翁』といふ見出しの記事で百一歳の棚橋先生と七十九歳の御令息一郎先生との御寫眞が出て居ります...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...その彩色は殊更に絢爛(けんらん)たらん事を務め全体の調子に注意する処なし...
永井荷風 「江戸芸術論」
...百花が絢爛(けんらん)であろうとも...
中里介山 「大菩薩峠」
...其等目も絢(あや)な熱帶の色彩をした生物どもが...
中島敦 「環礁」
...華麗絢爛の時代にその源を発します...
牧野信一 「歌へる日まで」
...絢爛な多彩な柳桜(やなぎさくら)をこき交ぜたような立派やかな扮り...
正岡容 「小説 圓朝」
...絢爛な花壇のある芝生を眺めたりした...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...朝ぼらけの靄(もや)の間にはいろいろの花の木がなお女王の心を春に惹(ひ)きとどめようと絢爛(けんらん)の美を競っていたし春の小鳥のさえずりも笛の声に劣らぬ気がして...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それ故この絢爛さは...
柳宗悦 「樺細工の道」
...絵屏風はあまりに美しく絢爛(けんらん)で...
山本周五郎 「日本婦道記」
...周囲の厚い金泥の襖(ふすま)は永徳(えいとく)風の絢爛(けんらん)な花鳥で息苦しさを感じるほどであった...
横光利一 「比叡」
...水々しい吉原絢燗期の女は...
吉川英治 「紅梅の客」
...スペインは絢爛たる東方文化の西方への尖端である...
和辻哲郎 「鎖国」
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