...――氷月の雪の枝折戸(しおりど)を、片手ざしの渋蛇目傘(しぶじゃのめ)で、衝(つ)いて入るように褄(つま)を上げた雨衣(あまぐ)の裾の板じめだか、鹿子絞りだか、あの緋色がよ、またただ美しさじゃない、清さ、と云ったら...
泉鏡花 「薄紅梅」
...はっきりいえ」「はい」グリーンは絞めつけられるような声をふりあげ...
海野十三 「火星探険」
...君たちが絞首(しめくび)になるのを助かる証人を残しておくかだ...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...絞罪位な所でいいなら進んで願いたい...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...くそっ」半兵衛は血声を揮り絞って切って廻った...
田中貢太郎 「山の怪」
...漢方の風邪薬(かぜぐすり)のように振り出し絞り出すのである...
寺田寅彦 「コーヒー哲学序説」
...サーベルと火刑場と絞首台とを...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...おつたは幾年(いくねん)か以前(まへ)の仕立(したて)と見(み)える滅多(めつた)にない大形(おほがた)の鳴海絞(なるみしぼ)りの浴衣(ゆかた)を片肌脱(かたはだぬぎ)にして左(ひだり)の袖口(そでぐち)がだらりと膝(ひざ)の下(した)まで垂(た)れて居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...絞め殺して口を塞(ふさ)いだと言ってる者があるんだがね」平次はとうとう言うべきことを言ってしまいました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...絞め殺されたのではないとわかつても...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...紫の幕が絞(しぼ)つてあつた...
林芙美子 「浮雲」
...腹の底から絞り出すような声で...
久生十蘭 「地底獣国」
...焉ぞ此膏血を絞て他の口腹を養ふの理あらんやなどゝ論じ來るときは...
福沢諭吉 「帝室論」
...奴は絞首刑を免れた悪党です...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...大騒ぎとなってかの男を絞架より卸したとあれど...
南方熊楠 「十二支考」
...金切声を振り絞り初めるのだ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...知恵のあらん限りを絞って...
夢野久作 「鼻の表現」
...人々の涙を絞らせる美人の鼻がありました...
夢野久作 「鼻の表現」
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