...美津子の結び文を心待ちにし...
豊島与志雄 「春盲」
...土塀にかけたる梯子(はしご)の頂より一人の美女結び文(ぶみ)を手に持ち半身を現はしたり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...凧糸の一端に結び文のようなものが附いていることを認めました...
中里介山 「大菩薩峠」
...後に落ち散った結び文を拾って...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...半紙半枚ほどの小さく畳んだ結び文...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...これなら結び文は完全に平次の手には入りますが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...早くも結び文に気の付いたガラッ八は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その結び文が欲しかつたんだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...贋物の結び文を搜し出して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...手紙一枚を結び文にしたもので...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「最初は矢文は飛んで来たそうですよ、何処からともなく白羽の箭(や)が一と筋、真夜中に濠を越え、塀を越え、庭を突っ切って、二階の主人の奥部屋の戸袋へ、ザブリと突っ立って居ました、――それはもう半年も前のことだった様です」「手紙でもついていたのか」「白紙の手紙が、結び文になって、矢尻に結んでありました、――何んにも書いて居ないのが、妙に淋しかったと、主人の峰右衛門は言います...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...結び文風(ぶみふう)の手紙で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...結び文にしたのは何んの禁呪(まじなひ)でせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...方式通り天地紅の結び文...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...天地紅の色つぽい結び文...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「今日まで本気かどうかためして来た、と云うんだ」清一は酒を呷(あお)った、「――浮気ならいやだけれど、ちゃんと夫婦になってくれるなら、……米八、おまさばばあもここのところを聞いてくれ、いいか、夫婦になってくれるのなら、千両箱を二つ持ってゆこう、って云うんだ、千両箱二つだぜ」「なんですかそれっぱっち」と米八が云った、「仮にも香屋の若旦那が、二千両ばかりのはした金に声を高くすることはないでしょう」「あたりきよ、金なんぞじゃあねえ、こころ意気だ、二千両は鼻紙代にもならねえが、それを持って来ようというこころ意気がうれしいじゃねえか、そうだろうばばあ」「それはようござんすけれど」とおまさが訝(いぶか)しそうに云った、「いったいそれはどういうところのお嬢さんなんですか」「それがてんでわからなかった」と云って、彼は左手の盃を口へ持ってゆきながら、右手をいそいで振った、「いや、いまはわかっている、一昨日へんな間違いがあって、そのとき実家のことも住居のこともわかった、歴(れっき)とした大商人の娘で、本郷のほうに小間使と二人別居しているんだ」「これはまた」と米八が云った、「よもや勘当なんてえことじゃあないでしょうな」「よけいな頭痛を病むな、――とにかく、一昨日の晩おれは、本郷のその家へいっしょにいったんだ」そのとき女中が、結び文を持って、いそぎ足にはいって来、「いまお使いの人がこれを」と云いながら、清一に渡した...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...結び文に小石をつつんだのが落ちていました...
吉川英治 「新書太閤記」
...後から追いついて来るがいい)柳の枝に結び文を残して行った武蔵を慕って...
吉川英治 「宮本武蔵」
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