...お寺で経巻きの修行をしていると、経紙に触れることができる...
...この向島名物の一つに数えられた大伽藍(だいがらん)が松雲和尚の刻んだ捻華微笑(ねんげみしょう)の本尊や鉄牛血書の経巻やその他の寺宝と共に尽(ことごと)く灰となってしまったが...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...金襴の表装をした経巻一巻と...
直木三十五 「南国太平記」
...仏像経巻も挙げて灰燼(かいじん)に帰するの日がなしと誰が断言する――不破の関守氏は仮りにその時を予想しているのである...
中里介山 「大菩薩峠」
...日が暮れて、やがて嫁御寮が乗込(のりこ)んで来ようという時、同じ牙彫職仲間の友吉(ともきち)というのが、たった一人の客として、あわて気味に飛込んで来ましたが、「おい綾麿、知ってるかい、いよいよ五つ目の蠑螺堂が取(とり)こわしだぜ」「えッ、本当かい、それは?」仏寺、経巻、仏像の廃棄や捨売(すてうり)が流行(はや)った時ですから、綾麿も気にはかけて居りましたが、こう言われるとさすがにギョッとしました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...眼が暗さに馴れるにつれ、五十畳敷ほどもあろうかと思われる仄暗い石室の三方の壁の書棚に、経本と経巻が、黄ばんだ帙と朱塗の軸に古代の薄明を見せて天井まで積みあげられている...
久生十蘭 「新西遊記」
...手紙を仏の経巻のように拡(ひろ)げて見入っていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そっとよこしました経巻とか...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...供養する経巻や仏像も二男の左大弁が主になって作らせていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...経巻を片手にお持ちになって御覧になり...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...経巻や仏像の供養などもこの人はまた宇治で行なおうとしているらしい...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...鐘の音(ね)の絶ゆる響きに音を添へてわが世尽きぬと君に伝へよこれは寺から使いがもらって来た経巻へ書きつけた歌であるが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...七日七日に経巻と仏像の供養をすることなども言い置いて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...故人になられた尊親のために経巻や仏像の供養をあそばされ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...常のとおりに経巻と仏像の供養を営んだ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...経巻(きょうかん)なども...
吉川英治 「私本太平記」
...賊が捨てて行った経巻が白蛇のように解けて風にうごいている...
吉川英治 「親鸞」
...経巻なので、もちろん、慎んでは書いたのだろうが、文字ごとの筆切れに、左流(ひだりなが)れのクセがあったりして、らくな気持もうかがわれながら、覇気(はき)らしい点が少しもない...
吉川英治 「随筆 新平家」
...この経巻は岡崎の或る禅寺から実はわけがあって自分の手に移っているのです...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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