...草鞋(わらじ)も脚絆(きゃはん)も擽(くすぐ)ってえ...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...三角形や六角形や花の形に切つた絆創膏をてんてんと貼り散らしても誰も可笑しがらなかつた程なのである...
太宰治 「津軽」
...あるいは人々がそういう過去の因襲の羈絆から脱しようとつとめている...
津田左右吉 「陳言套語」
...紺のめくらじまの袴をはき脚絆(きゃはん)に草鞋(わらじ)がけ...
寺田寅彦 「初旅」
...なんと阿呆らし奴等は祈る霽((は))れたる空の光の方へひどく体(からだ)を捩じ枉((ま))げてそれで奴等の股引は裂けそれで奴等の肌襦絆冬の風にはふるふのだ...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...法被姿や巻脚絆(まききゃはん)や...
橋本五郎 「地図にない街」
...崩れかかった重病者の股間に首を突っ込んで絆創膏(ばんそうこう)を貼っているような時でも...
北條民雄 「いのちの初夜」
...彼の欄などには――休暇中朝食を執りたること無き由、とか、C、D、E、F等と巧みなる変装を凝らして、活動常設電気館に数回出入(月日等々)、Cは印絆纏、鳥打ち帽子、Dは口鬚、眼鏡、Eは某大学生を装ひ、タキノは、漁夫の祝着なるマヒハヒを着し頬かむりをなし、Fは自働車運転手等云々、とか、馬食会なるものを組織し、順次、父兄の留守宅に集会し深更まで喧噪を極め、或ひは(×月×日夜)西洋料理店万歳軒に集合、(×月×日夜)そば店盛々庵、(×月×日夜)汁粉店松月の奥座敷に集合し、当店職業用の今川焼器を各自使用し、乱脈を極め当主人迷惑す、(×月×日夜)自転車数台、サイドカー附自働自転車一台を駆りて字栗橋街道に至り附近の畑より甘藷、西瓜等を盗み、深更海岸に屯ろしてビールの満を引き、馬食会万歳を連呼せり云々、とか、彼等の日誌は、新学期開始前三日、天候のみを某学生の日誌より写し、××家の空家に集合し徹宵夫々相謀りて作成せるもの也、などゝいふことまで記述してあつた...
牧野信一 「貧しき日録」
...」農夫長は隣(とな)りで脚絆(きゃはん)を巻(ま)いている顔のまっ赤(か)な農夫を指(さ)しました...
宮沢賢治 「耕耘部の時計」
...男は大抵絆纒着(はんてんぎ)である...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...雨に濡れた絆纏から湯気が立ちさうな気がする...
森鴎外 「金貨」
...注射の後で絆創膏(ばんそうこう)を貼った形跡もないのが第一奇怪と云わなければならぬ...
夢野久作 「暗黒公使」
...脚絆をつけてゐる...
吉川英治 「折々の記」
...何処まで行くんだい』側にいた三十がらみの――この船の客のうちではいちばん都会人らしい――手甲脚絆(きゃはん)で身軽に装った町人が話しかけた...
吉川英治 「篝火の女」
...白木綿の手甲脚絆(てっこうきゃはん)に...
吉川英治 「私本太平記」
...脚絆(きゃはん)などまで請(こ)いうけて...
吉川英治 「私本太平記」
...悪女どころな絆(きずな)ではない...
吉川英治 「新・水滸伝」
...合羽(かっぱ)や脚絆(きゃはん)の急仕立て...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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