...智恵子は、シツカリと吉野の脱ぎ捨てた下駄を持つた手を、胸の上に組んで、口の中で何か祈祷(いのり)をしながら、熱心に男のする態(さま)を見てゐた...
石川啄木 「鳥影」
...烏を組んで伏せそうである...
泉鏡花 「薄紅梅」
...「さあ、そうなると、わしも、新しい仕事が出来て、いそがしくなったぞ」と、蟻田博士は、手を後に組んで、落着かない様子で、部屋をあちこちと歩き廻る...
海野十三 「火星兵団」
...脚を組んで手で頬を支へた姿勢なのである...
辰野隆 「浜尾新先生」
...やっぱり猿は畜生じゃ)大塚はまた腕を組んで考え込んだ...
田中貢太郎 「忘恩」
...両手を胸に組んで...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...この小汚いボヘミアンと腕を組んで...
野村胡堂 「踊る美人像」
...達ちゃんと富ちゃんが組んでいろいろのことをしました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...全国諸藩の事情がかくの如く複雑に入り組んで来ては...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...腕を組んで坐り工合の姿勢のよい彼は余りに後進の若い人達の作品を熱読して...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...それを組んでゆくのである...
柳宗悦 「樺細工の道」
...萱屋根の上に棟押(むねおさ)えの木を組んでのせたもので...
柳田国男 「母の手毬歌」
...中には女と組打ちも妙だろうと竹刀を捨てて組んで行く不了簡...
山本笑月 「明治世相百話」
...両手を頭の上に組んで向う向きに立って草原の涯(はて)に浮かむ朝の雲を見ている...
夢野久作 「暗黒公使」
...腰をかけて腕を組んでいたが...
夢野久作 「冥土行進曲」
...現今の揚子江流域の湖北省嘉魚県(かぎょけん)の南岸北岸にわたる水陸入り組んでいる複雑な地域である...
吉川英治 「三国志」
...(毛利と四つに組んでいる秀吉は急にうしろを振り向けまい)と...
吉川英治 「新書太閤記」
...大事に燃える物を組んでゆく...
吉川英治 「宮本武蔵」
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