...私は三千里の外にゐて日本流の絃歌に対するあこがれに堪へなかつた...
阿部次郎 「帰来」
...毎晩の様に華やかな絃歌の巷に足を運んだ...
石川啄木 「菊池君」
...絃歌の聲太だ急なるは...
大町桂月 「北總の十六島」
...絃歌の雨のやうに降り注ぐ祇園を西に...
薄田泣菫 「茶話」
...水を越して響いて来る絃歌(げんか)の音が清三の胸をそぞろに波だたせた...
田山花袋 「田舎教師」
...さきの日国府津にて宿を拒まれようやくにして捜し当てたる町外れの宿に二階の絃歌を騒がしがりし夕...
寺田寅彦 「東上記」
...何の祝宴か磯辺の水楼に紅燈山形につるして絃歌湧き...
寺田寅彦 「東上記」
...思切って海の方へ突出(つきだ)して建てた大新地(おおしんち)小新地(こしんち)の楼閣に早くも燦(きらめ)き初(そ)める燈火(ともしび)の光と湧起る絃歌(げんか)の声...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...儒家(じゅか)の絃歌講誦(げんかこうしょう)の声を擾(みだ)そうというのである...
中島敦 「弟子」
...さすがに絃歌(げんか)の聲は絶えて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...絃歌耳を聾する如し...
羽田亨 「聚樂廻り」
...絃歌の聲のさま/″\に沸き來るやうな面白さは大方の人おもひ出でゝ忘れぬ物に思(おぼ)すも有るべし...
樋口一葉 「たけくらべ」
...悠長な絃歌をきいて...
牧野信一 「熱い風」
...色廓(くるわ)はつい程近く絃歌は夜々に浮き立ちて其処此処(そこここ)の茶屋小屋よりお春招べとの客も降るほどなれど...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...紅燈にわく絃歌猥笑(わいしょう)が...
吉川英治 「大岡越前」
...絃歌の飛沫(しぶき)に川波の鼓...
吉川英治 「剣難女難」
...花街の美嬌(びきょう)と絃歌(げんか)をあげて...
吉川英治 「新・水滸伝」
...木曾ぶしの絃歌が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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