...其が斯のやうに颱風の過ぎ去つた後の空の色は丁度朝鮮滿洲のあたりで見る如き全く水蒸氣を拂拭し去つたほんたうの紺碧の空を眺め得るやうな心持がするのである...
高濱虚子 「二百二十日」
...朝戸をあけると赤、紺、水色、柿色さまざまの朝顔が咲き揃っているのはかなり美しい...
寺田寅彦 「小さな出来事」
......
富澤赤黄男 「天の狼」
...青年は普通に紺絣(こんがすり)を着ている...
新渡戸稲造 「自由の真髄」
...姉のお杉 妹のお紺仲が悪くば 山の神様の椋鳥(むくどり)さまに お頼みなされと...
野口雨情 「仲のわるい姉妹」
...紺色といってもいい深いブリューの洋装で...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...紺羅紗(こんらしや)の洒落(しやれ)た品ですよ」「その金之助といふ男は何うした」「手代の與助に見張らせてあります」そんな問答を取交してゐる間に平次は手早く仕度をして...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...黒紺(ブリュウブラック)になったり...
久生十蘭 「地底獣国」
...遥行手の丘々の彼方に大山脈の連峰が紺碧の秋空にくつきりときり立つてゐるR村は...
牧野信一 「ピエル・フオン訪問記」
...紺碧の海原へ向つて...
牧野信一 「満里子のこと」
...紫紺という桔梗(ききょう)によく似(に)た草の根(ね)を...
宮沢賢治 「紫紺染について」
...贈り物としての飾りは紺瑠璃(こんるり)のほうには五葉の枝...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...紺生平(こんきびら)に白小倉袴(こくらばかま)...
夢野久作 「斬られたさに」
...腹掛けの背の十字の紺も洗濯が利いていた...
横光利一 「旅愁」
...瑠璃紺(るりこん)の皺だらけのマントウを被(はふ)つた老人(としより)の墓番が一人通つたので呼留(よびと)めて問うた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...パチンと紺土佐(こんどさ)の日傘を開いて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...弦之丞が面(おもて)をくるんでいた紫紺色の頭巾の布(きれ)……...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...紺ガスリに黒の兵児帯(へこおび)と極っていた...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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