...あのしおらしい紺絣の袂が...
芥川龍之介 「妖婆」
...羽被(はっぴ)の紺の香(にお)いの高くするさっきの車夫が...
有島武郎 「或る女」
...螺鈿(らでん)の細太刀(ほそだち)に紺地の水の紋の平緒(ひらを)を下げ...
高山樗牛 「瀧口入道」
...紺絣(こんがすり)を着た丸坊主の少年がひとりきちんと膝を折って坐っていた...
太宰治 「乞食学生」
...あのときに紺の股引が眼にしみるほど引き立ちます...
太宰治 「津軽」
...紫紺色に寒々とさえた空には星がいっぱいに銀砂子のように散らばっている...
寺田寅彦 「詩と官能」
...その帆は紺と白とをあえまぜに竪の段ダラ形で...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...――紺羅紗(こんらしや)の煙草入を持つて行つた人間だ――が金之助ではあるまい...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...紫紺の釣金(つりがね)マントを着て...
長谷川時雨 「遠藤(岩野)清子」
...紫紺メリンスの兵古帯を房々と結んでゐた...
牧野信一 「淡雪」
...そしてうっとりと紺碧(こんぺき)のいろを見つめている...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...十一月六日に神田紺屋町(こんやちょう)鉄物問屋(かなものどいや)山内忠兵衛妹五百(いお)が来り嫁した...
森鴎外 「渋江抽斎」
...ずんどうに紺の股引(ももひき)をはいている...
山本周五郎 「さぶ」
...紺絣(こんがすり)の洗洒(あらいさら)したのが太い筋張った腕にからまっている...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...素わらじに紺の脚絆(きゃはん)だった...
吉川英治 「銀河まつり」
...弦之丞が面(おもて)をくるんでいた紫紺色の頭巾の布(きれ)……...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...昼の雲が――春の紺碧(こんぺき)を斑(まだら)にしている白い雲が明るく...
吉川英治 「野槌の百」
...源氏重代の紺(こん)おどし「源太ヶ産衣(うぶぎ)」の具足をよろい...
吉川英治 「源頼朝」
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