...折り目正しい長めな紺の背広を着た検疫官はボートの舵座(かじざ)に立ち上がって...
有島武郎 「或る女」
...紺キヤラコの夏足袋から...
石川啄木 「鳥影」
...少兀(すこはげ)の紺の筒袖(つつそで)...
泉鏡花 「海異記」
...紺屋の手つてえものは昔から黒いんだよ...
薄田泣菫 「茶話」
...他処行(よそゆき)のお羽織の紺青色のキレがあった...
竹久夢二 「少年・春」
...背広の上衣だけを引かけて紺の股引にゲートルに靴という妙な風采の男が一人...
豊島与志雄 「微笑」
...天鵞絨(ビロード)めいた濃紺色の蝶々どもが群がっている...
中島敦 「環礁」
...忽ちにして濃紺となり...
中島敦 「環礁」
...紺飛白も幾度か水をくゞつて紺が稍うすぼけて居る...
長塚節 「佐渡が島」
...秋も涼しくなつたのでおいよさんは其紺絣ばかり着るやうに成つた...
長塚節 「隣室の客」
...紺絣(こんがすり)の筒っぽに...
中谷宇吉郎 「おにぎりの味」
...すると診察所から紺(こん)セルの洋服を着た三十恰好(がっこう)の男が出て来て...
夏目漱石 「明暗」
...青年は普通に紺絣(こんがすり)を着ている...
新渡戸稲造 「自由の真髄」
...「お紺と敬吉は、主人の官兵衞を殺して、その罪をお玉に背負はせ、そつくり久米野の家を横奪(ど)りしようとしたのさ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...紺久親分が来て居る...
山中貞雄 「森の石松」
...いま、洛内に駐(とどま)っている諸大将には、大仏貞直、金沢貞冬、長崎四郎左、千葉貞胤(さだたね)、結城親光、六角時信、小山秀朝、江馬越前守、三浦ノ介の入道などが十数ヵ所に門を張っているが、それら諸家の軍装のあいだにも、紫紺(しこん)、赤、くさ色、はなだ、小豆色(あずきいろ)など自家の色彩をさまざま誇る色一揆の傾向が現われかけていた...
吉川英治 「私本太平記」
...紺碧(こんぺき)の空(そら)の幕(まく)からくり拔(ぬ)いたやうに鮮(あざ)やかだつた...
若杉鳥子 「彼女こゝに眠る」
...皮衣(かはごろも)は紺青色(こんじよういろ)で毛(け)のさきは黄金色(おうごんしよく)をしてゐます...
和田萬吉 「竹取物語」
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