...紳商面をして澄ましてやがるが...
内田魯庵 「貧書生」
...大阪の紳商園村家に嫁いでいる夫人の手前でお茶があり...
谷崎潤一郎 「細雪」
...吾人に向かって今日の有名なるわが邦の紳商は封建時代のいわゆる官吏の一部ともいうべき御用達といくばくの相違あるかと問わば...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...今は紳商とて世に知られたるかの山木ごときもこの賜物(たまもの)を頂戴(ちょうだい)して痛み入りしこともたびたびなりけるが...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...かくてメジチ家其の他の紳商によって...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...されども世は華族、紳商、博士、学士の世である...
夏目漱石 「野分」
...日頃大達者(おおだっしゃ)と立てられてその名前は家々の守護神の様に人の口に膾炙(かいしゃ)している大紳商...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...すっかり紳商になってしまって...
長谷川時雨 「鉄くそぶとり」
...古鉄屋から紳商になりかけた家が...
長谷川時雨 「渡りきらぬ橋」
...貞子夫人の姉たき子は紳商益田孝(ますだたかし)男爵の側室である...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...紳商連のお道楽の集りらしく...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...渋沢栄一などときの紳商に圓朝をまじえた人たちが...
正岡容 「圓朝花火」
...気楽そうな紳商たちが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...予備学校における学生の出身階級の分布世襲貴族の子弟 六・三貴族及高官(同) 一八・四宗教家(同) 四・八紳士及紳商 九・六商人...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
...車上の者が紳商貴顕のたぐいである場合には...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...高瀬氏は横浜一流の紳商であり...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...開港地の紳商間に一度顔を売ったりした派手派手しい生活の見得なども残していて...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...主人の続木氏はやや背は足りないが色白で小肥りな紳商然たる人で...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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