...知事の君をはじめとして、県下に有数なる顕官、文官武官の数を尽し、有志の紳商、在野の紳士など、尽く銀山閣といふ倶楽部(くらぶ)組織の館(やかた)に会して、凡(およ)そ半月あまり趣向を凝(こら)されたるものに候よし...
泉鏡花 「凱旋祭」
...紳商面をして澄ましてやがるが...
内田魯庵 「貧書生」
...あの内容(なか)に紳商(しんしょう)小山田夫人(おやまだふじん)静子(しずこ)が...
海野十三 「赤外線男」
...紳商とでもいうのでしょうか...
太宰治 「誰も知らぬ」
...大阪の紳商園村家に嫁いでいる夫人の手前でお茶があり...
谷崎潤一郎 「細雪」
...盗賊が紳商に化けて泊っていた時の話...
寺田寅彦 「嵐」
...各都府においてみずから誇称して紳商と称し...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...かくてメジチ家其の他の紳商によって...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...されども世は華族、紳商、博士、学士の世である...
夏目漱石 「野分」
...すっかり紳商になってしまって...
長谷川時雨 「鉄くそぶとり」
...然るべき紳商の邸宅とも見えるのだが...
久生十蘭 「魔都」
...渋沢栄一などときの紳商に圓朝をまじえた人たちが...
正岡容 「圓朝花火」
...また広間のもう一つの端からは、ほとんど舞台に達するまで、花で飾られた長いテエブルがいくつも並んでいて、そのテエブルでヤコビイ弁護士の賓客たちが、春のビイルと子牛の焼肉とを味わっている――法律家、将校、紳商、芸術家、高級官吏たちと、その夫人令嬢たちとで、たしかに百五十人以上の紳士淑女である...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...予備学校における学生の出身階級の分布世襲貴族の子弟 六・三貴族及高官(同) 一八・四宗教家(同) 四・八紳士及紳商 九・六商人...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
...しばしば貴人紳商の遊宴に使われる繁昌な店であった...
山本周五郎 「風流太平記」
...高瀬氏は横浜一流の紳商であり...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...開港地の紳商間に一度顔を売ったりした派手派手しい生活の見得なども残していて...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...主人の続木氏はやや背は足りないが色白で小肥りな紳商然たる人で...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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