...やがて夜明け近くになってくたくたの体(てい)でうちへ帰ったことまで細大もらさず思い出されて...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...そのかわりにそのカメラの視野内に起こった限りの現象は必然的なものも偶然的なものも委細かまわず細大もらさず記録され再現されるのである...
寺田寅彦 「ニュース映画と新聞記事」
...しかもその報道は細大もらさず吾々の耳に這入っている...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...おふくろと、妻と赤ん坊とを、押入れへ押し上げた、この哀れな男は、くどくどと、なぜ波が敷居より上へ上がって来たか、とか、畳と畳の間から、まず汚(よご)れた水が、ブクブクと吹き出して来るものだとか、押入れへ、幸い、三人を入れましたので、とか、彼が、今そこで、そんな目に会ってでもいるように、細大もらさず、『客観的』に話し始めた...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...屹度あの手紙にはうちの局長のことが細大もらさず書いてあるだらう――閣下の人柄から行状まで詳細に認ためてあるに違ひない...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...奉行所内の実状を細大もらさず訊き知ろうとする様子は...
吉川英治 「大岡越前」
...この下男代りの部下がルパンに対して各方面から来る電話を細大もらさず主人に通じる役を引受けていた...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
...一挙一動細大もらさず見張っている...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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