...「黒喉嘴細大嘴鵙」は熟語ではありません...
...佐々砲弾が東京の新聞に君の説を細大洩らさず連日の紙上に書いた...
海野十三 「地球盗難」
...細大洩(も)らさず報道している...
谷譲次 「踊る地平線」
...昔からの拷問刑罰の器具を細大洩れなく蒐(あつ)めてある...
谷譲次 「踊る地平線」
...聞かるゝまゝに昨日のことも細大洩さず話してやつた...
徳田秋聲 「媒介者」
...しかもその報道は細大もらさず吾々の耳に這入っている...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...今日(こんにち)浮世絵の研究は米国人フェノロサその他新進の鑑賞家出でて細大漏(もら)す処なく完了せられたるの後(のち)溯(さかのぼ)つてゴンクウルの所論を窺(うかが)へば往々(おうおう)全豹(ぜんぴょう)を見ずして一斑(いっぱん)に拘泥(こうでい)したるの譏(そしり)を免れざるべし...
永井荷風 「江戸芸術論」
...一方水声は足の底、山脚の毛脛の真下――と思われる辺から湧き起り、広く物を蔽いかぶせるような音、鋭く螺旋状に物をつき通す音、高低、強弱、細大、種々の階音が綯(な)い交ざって、両側の山壁を打ち、こだまを重ね、巨大な積量の響音となって、満谷の空気を大ゆりにゆりつつ、はるかな天空さして逸出してゆく...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...細大(さいだい)漏らさずありありと...
夏目漱石 「坑夫」
...校内の事は細大ともに世の中に知れ渡っているはずだと思い過ぎる癖があります...
夏目漱石 「こころ」
...細大トモ一聯絡タルヲ知ルニ外ナラズ...
西周 「人智論」
...おふくろと、妻と赤ん坊とを、押入れへ押し上げた、この哀れな男は、くどくどと、なぜ波が敷居より上へ上がって来たか、とか、畳と畳の間から、まず汚(よご)れた水が、ブクブクと吹き出して来るものだとか、押入れへ、幸い、三人を入れましたので、とか、彼が、今そこで、そんな目に会ってでもいるように、細大もらさず、『客観的』に話し始めた...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...当時の風俗と日常生活の一般を細大洩らさずしらべあげ...
久生十蘭 「ハムレット」
...細大洩(も)らさず...
福沢諭吉 「慶応義塾学生諸氏に告ぐ」
...事の細大に論なく...
福沢諭吉 「日本男子論」
...この黒婦虐殺事件の顛末(てんまつ)を細大掲げて両者の相似点を指摘し...
牧逸馬 「女肉を料理する男」
...それにしても余は彼の行動は細大洩さず観察してゐるわけなのだが...
牧野信一 「西瓜喰ふ人」
...己れの姿を細大洩さず...
牧野信一 「舞踏学校見物」
...奉行所内の実状を細大もらさず訊き知ろうとする様子は...
吉川英治 「大岡越前」
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