...「黒喉嘴細大嘴鵙」は熟語ではありません...
...細大洩(も)らさず報道している...
谷譲次 「踊る地平線」
...従って今日一日の出来事は細大隠すところなく刻明に書いておきたいのだけれども...
谷崎潤一郎 「鍵」
...そのかわりにそのカメラの視野内に起こった限りの現象は必然的なものも偶然的なものも委細かまわず細大もらさず記録され再現されるのである...
寺田寅彦 「ニュース映画と新聞記事」
...細大ともどもの退屈さ加減――彼女の万事が...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ゴンクウルはこれらをも細大漏らす事なく精細に記述し批評したる後(のち)巻末に歌麿が秘戯画の説明を加へたり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...一方水声は足の底、山脚の毛脛の真下――と思われる辺から湧き起り、広く物を蔽いかぶせるような音、鋭く螺旋状に物をつき通す音、高低、強弱、細大、種々の階音が綯(な)い交ざって、両側の山壁を打ち、こだまを重ね、巨大な積量の響音となって、満谷の空気を大ゆりにゆりつつ、はるかな天空さして逸出してゆく...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...校内の事は細大ともに世の中に知れ渡っているはずだと思い過ぎる癖があります...
夏目漱石 「こころ」
...畢竟事物の細大と無く理に依る者に差異有るまじけれども...
西周 「尚白箚記」
...おふくろと、妻と赤ん坊とを、押入れへ押し上げた、この哀れな男は、くどくどと、なぜ波が敷居より上へ上がって来たか、とか、畳と畳の間から、まず汚(よご)れた水が、ブクブクと吹き出して来るものだとか、押入れへ、幸い、三人を入れましたので、とか、彼が、今そこで、そんな目に会ってでもいるように、細大もらさず、『客観的』に話し始めた...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...屹度あの手紙にはうちの局長のことが細大もらさず書いてあるだらう――閣下の人柄から行状まで詳細に認ためてあるに違ひない...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...細大備具せざるは無く...
福沢諭吉 「慶応義塾の記」
...着物を脱いで水着を着終る迄の悉くの動作姿態を細大洩らさず沁々と想像するのだ――といふ話だつた...
牧野信一 「渚」
...細大洩さず作品の中に活かして来ているだろうか?資本主義経済の行きづまりは...
宮本百合子 「国際無産婦人デーに際して」
...家内(かない)の事は細大となく夫に報ぜさせることにしたのである...
森鴎外 「渋江抽斎」
...細大すでに世に知らるるにもかかわらず...
山本笑月 「明治世相百話」
...全身の細胞の意識の内容を細大洩さず反射交感して...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...私の夢遊状態の一挙一動を細大洩らさず記録しているに違いない……否々……否々……きょうは...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...傍聴に立会った横目の二人から細大...
吉川英治 「大岡越前」
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