...笠井はその総代になっているのだが一人では心細いから仁右衛門も出て力になってくれというのであった...
有島武郎 「カインの末裔」
...道の入口に細い下水路があり...
梅崎春生 「記憶」
...細い水路で渚(なぎさ)から海につながっている...
梅崎春生 「幻化」
...そういう不届き千万な要求を持ち込むのだから心細い...
寺田寅彦 「田丸先生の追憶」
...左手へ降(おり)る細い道があつた...
永井荷風 「里の今昔」
...七本の檳榔(びんろう)の細い高い幹を眺める...
中島敦 「環礁」
...竿(さお)のような細い柱の上に...
夏目漱石 「永日小品」
...心細い訳(わけ)だ...
夏目漱石 「野分」
...唐紙(からかみ)の隙間(すきま)をもれる細い細い光線(あかり)...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...バツタのやうに細い空ツ脛で踏散らす水のしぶきが全身に跳ねあがつた...
牧野信一 「好色夢」
...シラフの時は大変に心細い...
牧野信一 「素書」
...黄と細い糸に静かに通した...
三岸好太郎 「ロマンチツクな絵本」
...こんな覚悟をしておいでになったので心細いようなことをお言いになったのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...若いやうな年寄つたやうな、蒼白(あをじろ)い皺(しわ)のある顔から、細い鋭い目が、何か物を覗(ねら)ふやうな表情を以て、爛々(らんらん)としてかゞやく...
森鴎外 「魔睡」
...その地方で金竹と呼んでいる細い篠竹(しのだけ)の密生した斜面があった...
山本周五郎 「藪落し」
...ごく細い渓流がある...
山本周五郎 「山彦乙女」
...非常に細い筆で書かれるので原稿は綺麗なものでした...
山本笑月 「明治世相百話」
...足首の上の細い処へ...
夢野久作 「S岬西洋婦人絞殺事件」
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