...やはりあのとき重傷を負った蟹寺博士が病院のベッドの上で繃帯(ほうたい)をぐるぐる捲きつけた顔の中から細々とした声で語ったところによると...
海野十三 「○○獣」
...細々と立ちのぼる煙はあたりの空気を...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魂の喘ぎ」
...どうかすると細々した書入れよりも...
薄田泣菫 「茶話」
...家の中の細々(こまごま)した用事するのんが嫌いやねんな...
谷崎潤一郎 「細雪」
...時々支給を仰ぎながら細々暮らしてゐた古い商売友達の薫(かをる)が...
徳田秋声 「のらもの」
...細々(こまごま)しい台所道具のようなものは買うまでもあるまい...
夏目漱石 「門」
...細々した調度までその頃の江戸の大町人らしい贅(ぜい)を盡して居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――手紙で細々と指図をして来ました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...幸ひ途中で見付けましたが危ないことで御座いました――」平次は今までの經緯(いきさつ)を細々(こま/″\)と説明したのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ねんねんころころ ねんころりころころ轉げて夢の國夢の國には花が咲く――それは細々とした良い聲でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「牛込の叔母は細々と商(あきな)ひをして居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...月の光の中に細々と佇んだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今は明るい光線の下に細々とした骨が眼に泌(し)みるようだった...
原民喜 「死のなかの風景」
...面白いほど細々とした出鱈目が口をついて出て来るのだから...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...――やがてそちらへ殿が御自身で御迎えに往かれる事になりそうですからその御用意をなさいませなどと細々と書いてきた...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...あのやうな感傷的の言葉を吐くのに最も適してゐるかのやうに細々として...
牧野信一 「露路の友」
...外界の酷薄な圧迫を細々ながらこの全身の支柱に堪えて行こう...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
...依然粗壁(あらかべ)の中に貧しい燈を細々ととぼして...
吉川英治 「新書太閤記」
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