...じめじめと降り続く秋雨に湿(しと)った夜風が細々と通(かよ)って来て...
有島武郎 「或る女」
...それからまた自分の証人としての困難な立場などを細々(こまごま)と打明けると...
大阪圭吉 「石塀幽霊」
...虫の声が細々と聞えてゐた...
田中貢太郎 「黒い蝶」
...あの時の事を細々(こまごま)と思い出しているのでした...
野村胡堂 「九つの鍵」
...刄物も見付からない」支配人の藤助は細々と説明してくれます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...二十歳娘の手内職で父娘二人細々と暮して居るお秀が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...細々と暮している叔母のお浅の家へ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...月の光の中に細々と佇んだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今は明るい光線の下に細々とした骨が眼に泌(し)みるようだった...
原民喜 「死のなかの風景」
...身体つきなどはまだ細々としていて...
堀辰雄 「ほととぎす」
...苦しいながらも細々と続刊し得られるからである次に新円本の出版が続出する理由は...
宮武外骨 「一円本流行の害毒と其裏面談」
...今度の噂が立つと非常に細々とお関と重三との人相書を作って...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...細々(こまごま)した物もみな出してくれい...
吉川英治 「黒田如水」
...細々すごしている親子でござります」「今はそうでしょう...
吉川英治 「新書太閤記」
...まだ夕食は前かすんだか――などという細々(こまごま)しいことまで...
吉川英治 「新書太閤記」
...ほかに細々でも市の暮し方はないものか...
吉川英治 「随筆 新平家」
...言外に諭(さと)しながら細々(こまごま)認(したた)めてあった...
吉川英治 「源頼朝」
...そしてその松原の中に細々として甲州街道と稱へらるゝこの小徑がついてゐるのだ...
若山牧水 「樹木とその葉」
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