...そして女房のちんちんなどは素知らぬ顔で相変らずお茶を啜(すゝ)つてゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...私は素知らぬ振りをしてややしばらく新聞を読んでいた...
近松秋江 「うつり香」
...素知らぬ顔をしていた...
豊島与志雄 「怪異に嫌わる」
...意地悪くも素知らぬ顔で眼をそらした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...素知らぬ風に煙草を吹かした...
豊島与志雄 「無法者」
...小野さんは覗(のぞ)き込んだ眼を急に外(そ)らして、素知らぬ顔で、容斎(ようさい)の軸(じく)を真正面に眺めていると、二人の影が敷居口にあらわれた...
夏目漱石 「虞美人草」
...素知らぬ顔をして窓の外の闇などを眺めて居る...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...素知らぬ顔をして通って行った...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...親分さん」素知らぬ顔で迎えた理三郎に案内させて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...縁の下に投り込んで素知らぬ顏をしてゐた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼等は私たちの傍を素知らぬ顔をして通り抜(ぬ)けていった...
堀辰雄 「美しい村」
...彼女等の、素知らぬ氣の、そんな風な樣子にだけは、隱岐はいつも敏感で、それまで彼女等が暮し向きに關する不平をならべてゐたに相違ないのが、想像されるのであつた...
牧野信一 「痴日」
...体操がはぢまると全く素知らぬ風を装つて...
牧野信一 「満里子のこと」
...のちにはまた何事も素知らぬ顔で二条の院へ斎宮を迎えて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...素知らぬ顔を大将は作っていたが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...村の切支丹族達はみな素知らぬ様子をしておりましたが...
吉川英治 「江戸三国志」
...何事も素知らぬふうにお暮しあれ...
吉川英治 「三国志」
...素知らぬ顔で見ていてくれ...
吉川英治 「私本太平記」
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