...其上又素直なたましひと大様な心とを持つた男であつた...
アナトール・フランス Anatole France 芥川龍之介訳 「バルタザアル」
...万人の群議にはるかにまさる素直な適切の御処置であつたといふ事がわかつてまゐりますやうな工合ひのもので...
太宰治 「右大臣実朝」
...そのやうに素直な将軍家を...
太宰治 「右大臣実朝」
...卑屈の素直な肯定の中から...
太宰治 「自信の無さ」
...犯罪者のうちで私ほど自分の犯行を認めるに吝(やぶさか)ならぬ素直な人間はなかったであろうとさえ...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...玉音は顔だちも美しく素直な女だったので...
田中貢太郎 「法華僧の怪異」
...子供のように素直なところのある青年でありましたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...「その素直なのは誰だい」「千住(こつ)の大橋屋の濱夕てんで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...素直な気持ちで求めに来たあなたには...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...素直なこの従妹(いとこ)がだいすきだった...
久生十蘭 「キャラコさん」
...そういう素直なそぶりを見ると...
久生十蘭 「キャラコさん」
...此処の飯田が凝りすぎて素直なもの食はせなくて困る...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...お初は、素直な口調で、「そうですか――じゃあ、お話というのを伺いましょう? 何か、女手のいる大仕事でもありますのか? なあにね、あたしもこれまで、女だてらに、親分たちを向うにまわして、大きな口を利いていましたが、やっぱし、女ッ切れの一本立ちに、くるしいこともありますのさ――親分の方から、こうしてわざわざ来てくれたのですもの、どんなことでも、否やはいわずに、働かせていただきたいものですよ」「そうかえ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...その子供の無邪気なそして素直な心をもって大地に涙しながら私の高ぶり反く心を挫(くず)さなければならない...
三木清 「語られざる哲学」
...その焦慮の間からどうして静寂な素直な作が生れ出ようか...
柳宗悦 「工藝の道」
...初代の茶人達が愛した茶器は実に素直な物のみでした...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...いくら素直な性格でも...
吉川英治 「源頼朝」
...いかにも素直なのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
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