...素直な感傷的な涙がただわけもなくあとからあとから流れた...
有島武郎 「或る女」
...性質の素直な人らしく...
太宰治 「リイズ」
...さういふ生活の根源は素直な心である...
種田山頭火 「其中日記」
...人を雇うて満都の宣伝ビラを訂正にかからせたのは素直なもので...
中里介山 「大菩薩峠」
...子供のように素直なところのある青年でありましたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...思いのほか素直な人間で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...さういふ自分には最も素直なものであつた...
堀辰雄 「小説のことなど」
...お初は、素直な口調で、「そうですか――じゃあ、お話というのを伺いましょう? 何か、女手のいる大仕事でもありますのか? なあにね、あたしもこれまで、女だてらに、親分たちを向うにまわして、大きな口を利いていましたが、やっぱし、女ッ切れの一本立ちに、くるしいこともありますのさ――親分の方から、こうしてわざわざ来てくれたのですもの、どんなことでも、否やはいわずに、働かせていただきたいものですよ」「そうかえ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...素直な男は、あわてた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...自然の素直な性質にかえらないかぎりやむことはない」と...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...初代の茶人達が愛した茶器は実に素直な物のみでした...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...自然なもの、素直なもの、簡素なもの、丈夫なもの、安全なもの、それが民藝の特色なのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...坦々とした波瀾のないもの、企らみのないもの、邪気のないもの、素直なもの、自然なもの、無心なもの、奢(おご)らないもの、誇らないもの、それが美しくなくして何であろうか...
柳宗悦 「民藝四十年」
...素直なかはいい雀(すゞめ)たち...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...どんなに、手を焼かすかと思いのほか、ひとたび、父越前守に会わせてやるというたッた一つの希望を与えただけで、その日から、まったく、素直な、純情な、そして善を楽しむよい娘になってしまった...
吉川英治 「大岡越前」
...お館(義元をいう)に向っての素直な御忠節も...
吉川英治 「新書太閤記」
...どんな山の奥にでも」いつもの素直な声で答えた...
吉川英治 「日本名婦伝」
...いつになく余り素直な義仲の顔いろだったので...
吉川英治 「源頼朝」
便利!手書き漢字入力検索