...私達の生活は昔のような素朴な単純な生活ではない...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...何とも云えぬ素朴な優しみがあります...
妹尾韶夫 「凍るアラベスク」
...貧しい人々の控え目で素朴な丸太小舎や田舎家である...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...甚だ素朴なるの相違はあるも...
高木敏雄 「比較神話学」
...いかにも上代の平和にして素朴な光景...
中里介山 「大菩薩峠」
...自然人又は原始人と呼ばるべき諸民族の單純素朴なる考へ方として根源的體驗の最も忠實なる反映であると無造作に解釋され易い...
波多野精一 「時と永遠」
...いぜんは素朴な山小屋だったが...
久生十蘭 「一の倉沢」
...原始の道路工夫のように幼い素朴な峡谷に硫化鉄の溶液を流しこんだ(だが...
槇村浩 「青春」
...素朴なわたしたちのもののうけとりかたのなかには...
宮本百合子 「きょうの写真」
...五月二十九日わが心 素朴な 原始に還り一目で...
宮本百合子 「五月の空」
...鈍重さの美を素朴な美しい木造の柱や何かにいかさず...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...至って素朴な形でやっていたわけです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...やはり単純素朴な正直だというのは何と面白いことでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...寂しい愛、孤独の愛、真実の愛、幸福な安らかな愛、正しい愛、虐たげられ、呵責(さいな)まれた愛、憐憫の愛、神のやうな愛、健やかな恵深い愛、忍従の愛、寛大な、而して叡智の潜んだ愛、自然の愛、新鮮なみづみづしい愛、善良で正直な愛、素朴な野生の愛、深大な愛、一人の、而して万人の愛、おお、さうして一切の愛、これらが皆この中にある...
室生犀星 「愛の詩集」
...素朴な・簡潔な・含蓄のあるガスコーニュ弁がある...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...素朴な確実な郷土の風格を保有する...
柳宗悦 「雑器の美」
...素朴な武士の家庭に生れ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...貞観時代には素朴ながらも自由な幻想のはたらきが許されていた...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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