...そしてみなりなどにかまわない素朴な態度...
石原純 「左千夫先生への追憶」
...ひどく素朴な草花をつんだ...
ヴァレリイ 坂口安吾訳 「〔翻訳〕ステファヌ・マラルメ」
...いかにも素朴なつくつた點の一つもない...
江南文三 「相川おけさ」
...或は素朴な感動に還るといっても...
豊島与志雄 「文学への実感について」
...素朴な議論を何度もくり返す必要が生じてくる...
豊島与志雄 「傍人の言」
...あの素朴なる可憐な兵士...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それは素朴な情緒や...
野村胡堂 「楽聖物語」
...しかし、美しい夕陽と十六の灯明と、甘美な香の煙と、素朴な祈りと、静かな音楽は、四半刻(しはんとき)(三十分)経たないうちに、多勢の人の心をすっかり捉(とら)えてしまいました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...素朴な人々の住む故郷に彼らは帰って行けない...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...崖下の雪の中に一種素朴なようすで焼け残っていた...
久生十蘭 「海豹島」
...彼等は素朴な高い叡智と調和に隈なくみたされた白日のように明澄な詩人の創作をば頓と見向きもしないで...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...わぎとさういふ原始的な素朴な死の觀念を借りて...
堀辰雄 「黒髮山」
...自身の地位の安全のためにこびる日常の現実に対して素朴な...
宮本百合子 「一連の非プロレタリア的作品」
...素朴な合理主義をより成長させるための努力...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...(b)自然の純粋素朴な考えを...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...素朴な読書子いかめしい...
吉川英治 「平の将門」
...歌ひ舞ふ素朴な生活はわたくしをしてバアンズの詩に見るスコットランド人のそれを想はせた...
吉田絃二郎 「八月の霧島」
...弘仁期の気分には素朴ながらにも強いデカダンの香気がある...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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