...長い歳月にわたつて素朴な土の香りと暖かい人間の真心によつて育てられた方言は...
池田亀鑑 「忘られぬお国言葉」
...素朴な口調で喋り出した...
大阪圭吉 「花束の虫」
...甚だ素朴なるの相違はあるも...
高木敏雄 「比較神話学」
...無欲な素朴な気質と...
高村光太郎 「智恵子抄」
...人々が素朴なその限り又実在論的な哲学的学問態度を信じることが出来ない限り...
戸坂潤 「科学方法論」
...ごく素朴なことを先ず考えてみる...
豊島与志雄 「文学への実感について」
...單なる「純情の素朴な詠嘆」でなく...
萩原朔太郎 「青猫」
...簡單素朴な、ことそがれるだけそいだ中に、體全體の調和が美を助け、波動が旋律的に傳はつて、清新溌剌なリズムを織りなしてゐる...
長谷川時雨 「夏の女」
...「俺だつて兵隊に行つたと同じだね」と素朴なことを云つて私たちを笑はせるのだ...
林芙美子 「玄關の手帖」
...日本の文壇で執拗(しつよう)に信じられている純文学と通俗小説とのような素朴な二元論は今や存在理由を失いつつあるといってよかろう...
平林初之輔 「『心理試験』を読む」
...好んで素朴な天才の振りをしたがる...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...反復が芸術的に素朴な手法でされているものだから...
宮本百合子 「イタリー芸術に在る一つの問題」
...自由な素朴なところもあって...
柳宗悦 「京都の朝市」
...それも素朴な手法...
柳宗悦 「雑器の美」
...素朴な器にこそ驚くべき美が宿る...
柳宗悦 「民藝四十年」
...このような素朴な景色を遠望しているとき...
横光利一 「旅愁」
...翁は日本の三十一音から成るタンカを知つて居て「今も猶(なほ)如此(かくのごと)き素朴な詩の作られるのは懐かしい」と云ひ...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...鎌倉者には見られない素朴な郷武者(さとむしゃ)振りで...
吉川英治 「私本太平記」
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