...畸形児は素早く窓の外に出ると...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...素早く洋館の中へ姿を消してしまったが...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...非常に素早く姿を晦(くら)ました...
江戸川乱歩 「心理試験」
...お互ひの御胸中を素早くお見透しなさつて...
太宰治 「右大臣実朝」
...素早く手紙を私から奪い取り...
太宰治 「惜別」
...私は素早く別れたのである...
太宰治 「誰」
...そいつを、素早く、さっと顔にかけて、屹(き)っと眉毛を挙げ、眼をぎょろっと光らせて、左右を見まわす...
太宰治 「懶惰の歌留多」
...私は素早く室内をしらべてみた...
谷譲次 「踊る地平線」
...素早くそれを拾おうとしたが...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...「偽り者めッ」と、いわれたから、それを否定しようと思ったが、一年半近く、御落胤と信じていて、とっくに、宝沢の生活を、自分の記憶から捨てていた天一坊にとって、二つの生活が、余りにちがっているが為、総(すべ)てが――今、胸を突かれた事も、誰かが、両腕を押えていることも、赤川の叫びも、常楽院の号泣も、騒がしさも、一切が、夢のように感じられた、極端な二つの生活が、混乱して、頭の中で、素早く廻転し、明滅すると共に、「いいえ」と、叫んで、首を振ったが、越前守はもういなくなっていて、縄が手首へ食い込んでいた...
直木三十五 「大岡越前の独立」
...素早く軽やかに部屋を横切って...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...巾着切のやうに素早く横つ飛びに風を切つた――崖下の洞の前まではものゝ三丁もあらうかといふ距離であつたが...
牧野信一 「冬物語」
...力強く又素早く飛ぶ...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...彼女は素早く会釈をして立去った...
山本周五郎 「麦藁帽子」
...猫のように素早く室(へや)の中を見まわした...
夢野久作 「暗黒公使」
...するとその袖(たもと)を素早く掴んだ若旦那様は...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...栖方は腰のズボンの時計を素早く計る手つきを示して梶に云った...
横光利一 「微笑」
...おれは改札口の処で待ち合せて素早く女の手から受取つた...
與謝野寛 「素描」
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