...素早い怪盗は、室を飛出して、外からドアを閉めてしまった...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...それは非常に素早いものだそうであります...
太宰治 「黄村先生言行録」
...それほど低く素早い言葉でした...
太宰治 「トカトントン」
...「あっ」「憎い犬め!」次のが十手で一撃を加えるのを、その手を潜(くぐ)って面(かお)にガブリと噛みついた、素早いこと...
中里介山 「大菩薩峠」
...その素早い変化に感嘆の声が上がり広間に響いた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...二人は素早い眼配せを交しながら...
久生十蘭 「魔都」
...私の眼の中まで突きとほりさうな素早い一瞥(べつ)を與へた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...持ち前の素早い診断と...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...余つ程頬げたのあたりへ素早い平手打でも喰はせてやりたかつたが...
牧野信一 「剥製」
...スクラムを組んで掴み合つたまゝダイアナの立像に素早い視線を投げながら...
牧野信一 「まぼろし」
...女は素早い眼で、風琴の一部に破れた穴の大きなのを見出すと、誇張的な声で軽侮の笑ひを吐きつつ斯う云つた――「では好い? 私が親指でこの穴をおさへてゐて上げるから、出来るだけ、そつと弾くのよ...
松永延造 「アリア人の孤独」
...下の板間に敷いた紙にサラサラサラサラ音を立てながら素早い手付きで髪を梳いて居る姿...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...非常に素早い足どりで萩(はぎ)の枯れ叢...
室生犀星 「野に臥す者」
...「素早い水鳥じゃ...
室生犀星 「姫たちばな」
...粗暴で素早いものであった...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...この素早い眼づかいの裡に...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...のみならず、店の若い者に唆(そそのか)されたか、一端の列をくずして、物蔭に隠れ、素早いとこをと、酒の碗(わん)をあばき合っている一ト群れさえある...
吉川英治 「新・水滸伝」
...素早い奴は、早くも懸賞品の山へむかって掠奪に殺到する...
吉川英治 「新・水滸伝」
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