...俺は外物と應接することによつて紛れることが出來る...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...気の紛れる話もあつて...
石川啄木 「天鵞絨」
...多くの人中に居ればどうにか紛れるので...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...少しは気が紛れるようにと思って...
谷崎潤一郎 「細雪」
...少しは紛れるであろうと云う底意も働いていたのであったが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...でもそんなものでも見たら気が紛れるであろうかと思って...
谷崎潤一郎 「細雪」
...紛れるともなく經つた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...中味だけ他の物と紛れるように...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...反つて紛れる方法にもなるでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いッかな争(いか)な紛れる事でない...
二葉亭四迷 「浮雲」
...アンはすこしでもサミイの気が紛れるようにと...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...「昼間にさへなれば他合もなく紛れる...
牧野信一 「痴想」
...時がたてば少しは寂しさも紛れるであろうかと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...院は少しうれいの紛れる気持ちをお覚えになりながら涙の流れ続けるためにお筆が進まなかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...今もどんな時にも紛れる方もなく昔ばかりが恋しく思われる薫であったから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...急いでこの仮屋の道を花園に紛れるようになさるが好い...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...そのときだけは気が紛れるらしい...
山本周五郎 「桑の木物語」
...其れで土地が変(かは)れば少しは気の紛れる事もあらうと良人(をつと)に勧められて不順な天候の中に強ひて独墺及び和蘭陀(ヲランダ)の旅を思ひ立つのであつた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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