...上人は「勿体(もたい)なや祖師(そし)は紙衣(かみこ)の五十年」と云ふ句を作つた人である...
芥川龍之介 「俳画展覧会を観て」
...更に紙衣(かみこ)なんぞは着てゐない...
芥川龍之介 「俳画展覧会を観て」
...何れ終りは同じ紙衣玉席...
高山樗牛 「瀧口入道」
...原田も紙衣の破れた袖口を気にしながら...
太宰治 「新釈諸国噺」
...いゝ年輩の戸主連がこの揃ひの紙衣裳で町を練り歩かねばならないといふことが味噌(みそ)だつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...その目は又紙衣裳の方へ帰つた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...この紙衣裳さへ似合ふにちがひなかつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...あの紙衣裳を着た神主達は今どこを歩いてゐるのだらう...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...昨日まで迂散(うさん)臭い顔で紙衣裳を眺め...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...紙衣はがさがさして歩きにくいことこの上もなかつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...紙衣の下からはみ出すやうに...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...で、大半はいつのまにか草履や下駄にはきかへてゐたものの、まだあの木箱をひきずるがらがらいふ音をたてて、紅い色の滲んだ、紙衣の神官達は、笏を前に構へ、気を張つて真正面を向いたまゝ繰り出して来た...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...水商売の女が四十八本の色文を使い紙にもせず紙衣も貼(は)らず...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...紙衣(かみこ)着た伊左衛門じゃないが...
長谷川時雨 「朝散太夫の末裔」
...その時の私はさびしい紙衣(かみこ)姿であったろうが...
正岡容 「わが寄席青春録」
...名古屋山三(なごやさんざ)が濡燕(ぬれつばめ)の縫ひは美にして伊左衛門の紙衣(かみこ)は美ならずとはいひ難し...
正岡子規 「病牀六尺」
...反古(ほご)はそばから紙衣(かみこ)や何かに使ってしまい...
吉川英治 「私本太平記」
...破れた紙衣蚊帳(かみこがや)...
吉川英治 「宮本武蔵」
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