...――たとえば詩(抒情詩)はすべての芸術中最も純粋なものであるという...
石川啄木 「弓町より」
...純粋な偶然の結果としても当然期待されうる「自然変異(ナチュラルフラクチュエーション)」の現象であって...
寺田寅彦 「天災と国防」
...しかしその心理の推移はどこまでも純粋な所知として読者の前に展開されるのである...
寺田寅彦 「文学の中の科学的要素」
...カント自身「人間の認識の純粋な要素の研究に於て私は長日月の熟考の後始めて感性の純粋なる要素概念(空間と時間)と悟性のそれとを確実に区別し又引き離すことが出来た」(Prolegomena, § 39)と告白しているように空間を制約と考え原理と考えることとそれを直観に属すると考えることとが引き離せない処に空間の空間たる構成的な特質がなければならぬ...
戸坂潤 「物理的空間の成立まで」
...併しこの場合もしカントの考えたように幾何学が直観空間の「純粋な規定」となるという意味に於て(図式としての図形などは之である)経験に対するその応用を云々するのであるならば...
戸坂潤 「物理的空間の成立まで」
...――フランスの大批評家らは純粋な音楽をしか容認しないで...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...君たちは純粋な音楽を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...純粋な交響曲(シンフォニー)にたいしてはなんらの同情も寄せられなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...純粋な様式の神社が建てられている...
豊島与志雄 「台湾の姿態」
...そうした行為への純粋な慾求が次第になくなって来た...
中島敦 「光と風と夢」
...純粋な英国の料理は...
中谷宇吉郎 「塩の風趣」
...最も純粋な形での自然科学の境地と著しく近いものになるのではなかろうか...
中谷宇吉郎 「露伴先生と科学」
...そこでこの名称のために誤まられて彼らの作品は精製した金や銀のように純粋な性質で自然に存在していると思うようになります...
夏目漱石 「創作家の態度」
...純粋な楽みに耽(ふけ)りたかった...
夏目漱石 「道草」
...また最も一般的で純粋な原理に対して我々の与え得る理由は...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...ついにもはや単に全く純粋な量...
三木清 「科学批判の課題」
...自然科学のうちにおいても生命を取扱う生物学の如きが純粋な説明科学とならないで記述的であるのも...
三木清 「哲学入門」
...非常に純粋な昔風の頼母子の恩恵に浴したように思われる...
柳田国男 「故郷七十年」
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