...お京のとりなしの純真さに...
泉鏡花 「薄紅梅」
...すっかり人が違ったようにすべての行為に関し純真さと熱情とをとりかえしていた...
海野十三 「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」
...その純真さは相手を動かさないではおかなかった...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...その純真さへも唯ならぬものがあつたのである...
高村光太郎 「智恵子抄」
...どうも昔の純真さがなくなっているように思えること...
谷崎潤一郎 「細雪」
...いくつになっても初心(おぼこ)娘の純真さを失わない彼女であった筈だけれども...
谷崎潤一郎 「細雪」
...飽く迄(まで)も生娘の純真さを保っておられるのは寔に貴いことである...
谷崎潤一郎 「細雪」
...今彼をしてかくも峻烈(しゅんれつ)に民衆を非難せしめている率直な純真さを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...凡そ一徹な純真さにつきものの不遠慮さがある...
豊島与志雄 「自由人」
...子供のような純真さ……...
豊島与志雄 「憑きもの」
...こうもせざるを得なかった動機の純真さには...
中里介山 「大菩薩峠」
...花世ってものを、ちっともわかっていらっしゃらないじゃありませんか……あらゆる真実が、かならず人を動かすものでもなく、純真さが、いつも人をうつとはきまっていません...
久生十蘭 「蝶の絵」
...語りあう言葉にもどことなく一種特別な純真さと心易さの響きが籠っていた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...彼の認識の中で一般化されている(作者も同様に一般化している)児童の「意欲をもたぬ幼年期の純真さ...
宮本百合子 「一連の非プロレタリア的作品」
...あなたの愛だけを頼みにしているのでございます」と言う浮舟(うきふね)の顔に純真さが見えてかわいいのを尼君は笑(え)みながら見守っていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それ等の勢力の純真さ...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...たあいのない純真さのあるために...
吉川英治 「大岡越前」
...それまでの純真さはすでにない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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