...涼しさやすぐに野松の枝のなり夕顔や酔(ゑう)て顔出す窓(まど)の穴山賤(やまがつ)のおとがひ閉づる葎(むぐら)かな第一は純然たる風景画である...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...第三は純然たる人物画である...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...純然たる日本の生活の真中にいるのである...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...将来の宗教はいっさい迷信を除き去った純然たる倫理教でなくてはならぬ...
井上哲次郎 「明治哲学界の回顧」
...純然たる金銭的な性質の思惑をやっているのでなかったら...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...だがこうした純然たるジェスチュアや服装について気を病むのも...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...だが現に今日の日本の資本主義は決してもはや純然たる個人主義などではなくて...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...純然たる心理解剖作家である...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...しかして純然たる二色摺の出たるは...
永井荷風 「江戸芸術論」
...唯ゴンクウルが何らの道徳的判断を下さず純然たる芸術的興味に基(もとづ)き自由に完全にこれを観察しなほかかる場合には往々浮世絵師の喜んでなす突飛(とっぴ)なる滑稽(こっけい)頓智(とんち)の妙(みょう)を能く了解したる事...
永井荷風 「江戸芸術論」
...第四は本所深川日本橋京橋(きょうばし)下谷(したや)浅草(あさくさ)等市中繁華の町に通ずる純然たる運河...
永井荷風 「日和下駄」
...たとえ純然たる無邪気を以て発せらるるにせよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...その実は純然たる文房用(ぶんぼうよう)の装飾品に過ぎぬ...
夏目漱石 「草枕」
...このために旧市域管内は事実上純然たる戦時体制に入ったからである...
久生十蘭 「魔都」
...だってフェンウィックは純然たる金融業だし...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...というので純然たる西洋風の劇場にしたのです...
三浦環 「お蝶夫人」
...五穀を祷(いの)り耕していた純然たる百姓とは...
吉川英治 「新書太閤記」
...純然たる蒸し風呂である...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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