...例えば先年の椿岳展覧会に出品された淡島嘉兵衛旧蔵の飛燕凝粧の図の如きは純然たる椿年派であって奔放無礙(むげ)の晩年の画ばかり知ってるものは一見して偽作と思うだろう...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...純然たる金銭的な性質の思惑をやっているのでなかったら...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...本館二階は純然たる公爵家家族の住居(すまい)であって...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...その意味に於て純然たる文化活動以外のものであってはならぬ...
戸坂潤 「啓蒙の現代的意味と役割とについて」
...第四は本所深川日本橋京橋(きやうばし)下谷浅草(あさくさ)等(とう)市中繁華の町に通ずる純然たる運河...
永井荷風 「水 附渡船」
...純然たる物理学の範囲の研究であって...
中谷宇吉郎 「墨色」
...その心持は純然たる恐怖でも不安でも不快でもなく...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...名は日本橋だけれどもその実は純然たる洋式で...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...それ故に純然たる政治的規準である...
平林初之輔 「政治的価値と芸術的価値」
...発生のそも/\のはじめから今日に至るまで唯一の目的しかもつてゐないとするのは却つて純然たる独断であつて...
平林初之輔 「文学の本質について(一)」
...これは純然たる社会主義都市計画によってつくられた町だ...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
...お母さんは純然たる江戸っ子で...
柳田国男 「故郷七十年」
...それが純然たる空想の所産でないことを思わしめる...
柳田国男 「山の人生」
...二重(ふたえ)まぶたの大きな眼が純然たる茶色で...
夢野久作 「鉄鎚」
...一見したところでは純然たるヤンキーとしか思われませぬ...
夢野久作 「暗黒公使」
...事実は純然たる秘密訊問に相違なかったのだ...
夢野久作 「爆弾太平記」
...純然たる女の復讐だけになった...
吉川英治 「大岡越前」
...全てを見ておかなければという純然たる原始的な焦燥感か...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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