...日本にては山姥(やまうば)鬼婆(おにばば)共に純然たるウイツチならず...
芥川龍之介 「骨董羹」
...一つは純然たる生理上の反応によるもの...
江戸川乱歩 「心理試験」
...やつは純然たる吏党だよ」と隅の方から膝を乗りだす者がいた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...純然たるまぼろしの基礎の上につねに打ち立てられている...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...さればこれらの必要はたちまちわが邦人の資格を一変して純然たる商人・貿易者・職工・資本家・事業者となすべし...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...純然たるプロパーな領域としての戦争ジャーナリズムは...
戸坂潤 「戦争ジャーナリスト論」
...遽かに伊藤侯の政見を非として純然たる山県崇拝家と為れり会計検査院長渡辺昇子は世人之れを伊藤系統の人なりといへども...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...純然たる哲学的見地に立ち...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...徳利様と云うのは純然たる徳利では無論ない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...私の解釋するような意味の純然たる政治的評價にのみたよるわけにはゆかない...
平林初之輔 「政治的價値と藝術的價値 マルクス主義文學理論の再吟味」
...政治社外に純然たる學者社會を生ずるを得べし...
福沢諭吉 「帝室論」
...また純然たる陶酔者でもなく...
牧野信一 「海浜日誌」
...笠をかぶり純然たる小作百姓のなりだし...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...人間の協力のまじらない・純然たる神様だけの・救いを乞い奉らないとは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...在所におりたくば純然たる農になれ...
柳田国男 「家の話」
...多くの土地ではもう純然たる正月遊びになっている...
柳田国男 「こども風土記」
...いつとなく純然たる聴手の側に立ち...
柳田国男 「木綿以前の事」
...このように純然たる美人像ではない...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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