...馬鹿に派手な羽織の紐を買つたりするのは人の目にも見えるけれど...
石川啄木 「病院の窓」
...連尺(れんじゃく)という紐の着いた小つづらが残って居たし...
岩本素白 「こがらし」
...すべて柔らかな純銀の紐で括(くく)られていた...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...入口で古風な呼鈴(よびりん)の紐を引くと...
寺田寅彦 「異郷」
...納簾の紐を分けて二階へ案内する...
永井荷風 「寺じまの記」
...一(ひと)つ掴(つか)んでは又(また)其(そ)の輪(わ)が擴(ひろ)がるやうにしつゝ引(ひ)く容子(ようす)は大勢(おほぜい)が一(ひと)つの紐(ひも)を打(う)つて居(ゐ)るやうな形(かたち)にも見(み)えた...
長塚節 「土」
...この紐が大変よく似合うと云ってくれる人もありますので――」「誰だい...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...少し顔の紐(ひも)を締めて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...帶がなくて細紐だけの姿は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この首筋に卷いてあつたのは、娘の赤い腰紐で、ヨリも何んにもないが、首筋には繩の跡が殘つてゐるのだよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼女自身は一枚のシャツをかかっている紐から取って...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...紐育(ニューヨーク)と巴里(パリー)と倫敦(ロンドン)と羅馬(ローマ)の銀行に別々に預けられてあった山本氏の財産が...
久生十蘭 「キャラコさん」
...紐育(ニューヨーク)へ発つ日まで二人でその世話になった...
久生十蘭 「復活祭」
...その紐が切りはなされて...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「落穴と振子」
...胸衣と同じ色の細い絹紐を巻いた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...猟師たちが彼らの面前でたくさんの紐(ひも)を結んで靴をはいて見せたり...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...結びかけていた羽折の紐をそのまま...
山本周五郎 「日本婦道記」
...下紐がわりに使っていましたの...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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