...松太郎は暑いに拘らず木綿の紋附羽織を着て...
石川啄木 「赤痢」
...私の知っている指紋探偵小説の早いものを...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...不思議な斑紋が浮き出して来る...
薄田泣菫 「独楽園」
...色まちの女が抜衣紋(ぬきえもん)にするのは天然自然の智慧である...
高村光太郎 「人の首」
...衣服はれいの小紋の三枚かさねに...
田澤稲舟 「五大堂」
...「実に不思議ですね」「ところが指紋だけじゃ心細いね」老紳士は頑固につぶやいた...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「ペルゴレーズ街の殺人事件」
...家(うち)の定紋(じょうもん)を染出した印半纒(しるしばんてん)をきて...
永井荷風 「狐」
...羽二重の小袖の紋さえも記憶している者がなかったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...金次とお紋が庵崎數馬に仲人を頼んでゐたといふのは初耳です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...衣紋(えもん)をつきあげながら甘ったれて言ったのだ...
長谷川時雨 「鬼眼鏡と鉄屑ぶとり」
...取(と)つて置(お)きの一てう羅(ら)も良人(おつと)は黒紬(くろつむぎ)の紋(もん)つき羽織(ばをり)...
樋口一葉 「われから」
...かすかながら白壁に写った左手の血の紋様でそれと察しられるのである...
久生十蘭 「魔都」
...彼女は自分の心の中に、あの、斑紋が、一つ、赤く色映えてゐることを美しく思つた...
北條民雄 「赤い斑紋」
...靖国神社の臨時大祭には(十九日)二百万の人出であったそうで、私が外苑や銀座を御案内したら、銀座の風景は全くふだんとちがっていて、黒紋付を着て、ホオに白粉をつけ、胸に遺家族のマークをつけた若い女のひとなどが、式服の白羽二重の裾からいきなり桃色の綿ネルを出して上ずった眼付で歩いているのに沢山出会いました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...これまた「無地紋」とでもいおうか...
柳宗悦 「民藝四十年」
...黒い墨の細かい組合わせ文字の紋章みたいなものが...
夢野久作 「悪魔祈祷書」
...右上から左下へ波紋を作って流れて行く水が描いてあるが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...松紋(ショウモン)廂宝(ソウホウ)ノ剣ヲ手ニカケテ曰(イ)ウ...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索