...紅殻(べにがら)塗りの框(かまち)を見せた二重の上で定規(じょうぎ)を枕に炬燵(こたつ)に足を入れながら...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...暖簾(のれん)を垂らした瓦燈口(がとうぐち)に紅殻塗りの上り框(がまち)...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...次ぎには山梔(くちなし)の実を煎じて用ひたが昨今は紅殻を用ひてゐる...
谷崎潤一郎 「文房具漫談」
...店の紅殻色(べんがらいろ)の壁に天狗の面が暴戻(ぼうれい)な赤鼻を街上に突き出したところは...
寺田寅彦 「銀座アルプス」
...道路はシンガポールの紅殻色(べんがらいろ)と違ってまっ白な花崗砂(かこうしゃ)である...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...色彩といえばただ鈍い紅殻塗(べんがらぬ)りの戸棚(とだな)と...
寺田寅彦 「病室の花」
...」紅殻色に砥の粉色の縞をもつた柄とスタイルが彼女の姿を愛らしくした...
徳田秋聲 「芭蕉と歯朶」
...紅殻(べにがら)のような血が玉になって飛ぶ...
中里介山 「大菩薩峠」
...母親は紅殻色の格子を締めた!青い瞳1 夏の朝かなしい心に夜が明けた...
中原中也 「在りし日の歌」
...紅殻を塗ったばかりだって...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...泡盛(あわもり)屋の前をはいった紅殻(べんがら)塗りの小さいアパート...
林芙美子 「新版 放浪記」
...今一番沢山用いているのは楮(こうぞ)に紅殻(べにがら)を入れた紙であります...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...今申しました紅殻入(べにがらいり)の紙は...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...高い土塀つづきに紅殻塗(べにがらぬ)りの腕木門(うでぎもん)が向うに見えます...
吉川英治 「江戸三国志」
...紅殻(べにがら)いろや浅黄のれんの下に...
吉川英治 「江戸三国志」
...石舟斎は袂(たもと)から少量の紅殻(べにがら)をふくませた打粉を取出して...
吉川英治 「剣の四君子」
...紅殻染(べにがらぞめ)の小蒲団を何枚も持って来させ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...いつも紅殻色(べにがらいろ)の小蒲団の中だった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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