...この紅い色の感じが...
大手拓次 「「香水の表情」に就いて」
...臀端折(しりはしょり)をして紅い腰巻を出していた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...人だの車だのがみんな半面に紅い色を浴びて...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...あの右の手の何とも名状の出来ない活きた優雅な曲線と鮮やかに紅い一輪の花が絵の全体に一種の宗教的な気分を与えている...
寺田寅彦 「ある日の経験」
...と武太さんは紅い齦(はぐき)を出してニタ/\笑った...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...脣が紅いからといって...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...渓流の底の一枚岩が不思議にルビイの様に紅い...
中島敦 「光と風と夢」
...咳込んだ口を抑える手巾(ハンカチ)の中に紅いものを見出さないことは稀(まれ)だったのである...
中島敦 「光と風と夢」
...わざと芯を細くしたまま、消さずに置いたランプが、意地悪くお染の横顔を照らして、その大きい庇髪の影が、白い額に落ち、柔かい鼻の線と、紅い唇が、藤波金三郎の全官能をグイグイと揺(ゆす)ぶります...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...紅い鹿(か)の子(こ)絞(しぼり)の扱帶(しごき)で首を絞められた若い男が虚空(こくう)を掴んで死んで居るのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...紅い光沢(つや)の良い唇も...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...多い毛からしづくが垂れそうで、ほの暗い顔に、青い眉、紅い唇の対照は、何んという魅力でしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...鳥は群れを乱して散った朝おれは夜明けの空に渦を描いて北に飛ぶ鶴を見たツルチュクの林を分け欝蒼たる樹海を越えて国境へ―――火のやうに紅い雲の波を貫いて...
槇村浩 「間島パルチザンの歌」
...紅い美しい舌の先きを歯の間に...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...紅い模様のある華美(はで)な帯をしめていた...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...よく白い脛(すね)に紅い血を走らせた...
室生犀星 「天狗」
...この花の紅い汁液で爪を染める風は...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...紅い瑠璃(るり)色からだんだん紫色になっていったり...
吉川英治 「新・水滸伝」
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