...糸瓜(へちま)の皮で掻廻すだ...
泉鏡花 「歌行燈」
...お宅のあの糸瓜ですが……」M氏は椅子から少し腰を浮けて...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...きのふけふのぐうたら句糸瓜の門に立つた今日は(子規忌)・旅の宿の胡椒のからいこと・羽毛(ハネ)むしる鶏(トリ)はまだ生きてゐるのに・しんじつ秋空の雲はあそぶあかつきの高千穂は雲かげもなくてお信心のお茶のあつさをよばれる芋虫あつい道をよこぎる竹籔の奥にて牛が啼いてるよ・露でびつしより汗でびつしより夜は教会まで出かけて...
種田山頭火 「行乞記」
...糸瓜は畑の隅にぶらさがつてゐる...
種田山頭火 「行乞記」
...・けふも暑からう蓮の花咲ききつた・ここも空家で糸瓜の花か・風が落ちて雨となつた茄子や胡瓜や・夕立晴れた道はアスフアルトの澄んだ空・大橋小橋も新らしい国道一直線・やつぱりお留守でのうせんかづら青柳おしわけいたゞくや一銭銅貨・しんじつよい雨がふるいちじくの実も・よい雨の...
種田山頭火 「行乞記」
...月がのぼつた(敬君に)・蠅はうごかない蠅たたきのしたで・いつしよに昼寝さめてかなかな(樹君に)・待つても待つても来ない糸瓜の花もしぼんでしまつた(礼...
種田山頭火 「其中日記」
......
種田山頭火 「草木塔」
...垢(あか)すり糸瓜の一件じゃございませんかね?」彼は急に乗り出して来たので...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...顔は糸瓜(へちま)の皮のあらあらしく...
中里介山 「大菩薩峠」
...貴様を厭(いや)がらせに来たんだ」「どういう理由(わけ)で」「理由も糸瓜(へちま)もあるもんか...
夏目漱石 「明暗」
...「文句も糸瓜(へちま)もあるものか」「よしツ」平次はもう立上つて外へ出て居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「文句も糸瓜(へちま)もあるものか」「よしッ」平次はもう立上がって外へ出ております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...俺は糸瓜が物を言つたのかと思つたよ」「冗談でせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一文なしも糸瓜(へちま)もあるもんか...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...家の窓のすぐ外に糸瓜はみのり...
原民喜 「飢ゑ」
...躯はしなびた糸瓜(へちま)のように痩(や)せていた...
山本周五郎 「季節のない街」
...糸瓜(へちま)の苗を植えようかなどと話している...
吉川英治 「親鸞」
...そいつを忘れちゃすまねえからな……」「恩も糸瓜(へちま)もありませんが...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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