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芥川龍之介 「O君の新秋」
...生(な)る糸瓜も、生る糸瓜も、小指のように細い、おまけに寸の伸びない、まるで胡瓜のような奴ばかりなんです...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...糸瓜の下が円く掘下げられていますね...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...薬(くすり)も糸瓜(へちま)もあるものか...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...その東側から登りかけて居る糸瓜(へちま)は十本ほどのやつが皆痩せてしもうて...
高浜虚子 「子規居士と余」
...をとゝひの糸瓜(へちま)の水も取らざりき 子規死に直面しながらこんなことを言った...
高浜虚子 「俳句への道」
...いつの間に壁にかかりし帚草(ははきぐさ)取りもせぬ糸瓜(へちま)垂らして書屋(しょおく)かな白萩の殊(こと)に汚(きた)なくなりやすく九月二十三日 丸ノ内倶楽部俳句会...
高浜虚子 「六百句」
...五六日見ないうちに、棚の糸瓜がぐん/\伸んで、もうぶらさがつてゐる、糸瓜ういやつ、横着だぞ!バラツク売家を見にゆく、其中庵にはよすぎるやうだが、安ければ一石二鳥だ...
種田山頭火 「行乞記」
...・山頭火には其中庵がよい雑草の花・糸瓜伸びたいだけのぼつたりさがつたりして花つけた・風はうらから風鈴の音もつゝましく・仏前しづかに蝶々きてとまる・もどつてきたぞ赤蛙・ひえ/″\として夜明ける風鈴のなる・なにかつかみたい糸瓜の蔓で朝の風ふく・草のすゞしさは雀もきてあそぶ八月一日ねた...
種田山頭火 「行乞記」
...ある宵(よい)の即景名月や糸瓜の腹の片光り(昭和二年十一月...
寺田寅彦 「柿の種」
...(この比喩(ひゆ)――ことに『糸瓜』ということばが...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...おまえの親父は糸瓜をつかまれて居酒屋から引っぱり出されたんだ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...ひょろ長い糸瓜(へちま)のようなからだを下女の後ろから運んで行く...
夏目漱石 「野分」
...貴様を厭(いや)がらせに来たんだ」「どういう理由(わけ)で」「理由も糸瓜(へちま)もあるもんか...
夏目漱石 「明暗」
...「だって親分」「だっても糸瓜(へちま)もあるものか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...糸瓜が物を言や、唐茄子(とうなす)が浄瑠璃(じょうるり)を語る」「面白い話てえのはそれかい、八」「混ぜっ返しちゃいけませんよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...向の畑の枝に残つた糸瓜が一つ...
原民喜 「飢ゑ」
...その東側から登りかけて居る糸瓜(へちま)は十本ほどのやつが皆瘠(や)せてしもうて...
正岡子規 「九月十四日の朝」
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