...この餅の中に馬糞のあることの知れぬはずはない...
井上円了 「おばけの正体」
...阿五はいやな顔をして「この糞婆め」といったまま口を尖らせて突立っていた...
魯迅 井上紅梅訳 「明日」
...ただ大道上に一空地を劃し低き土壁を繞(めぐ)らしたるのみにて糞壺(くそつぼ)もなければ小便溜(だめ)もなく皆垂流(たれなが)しなり...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...小豆(あずき)に糞(ふん)されてはたまらぬ...
太宰治 「新釈諸国噺」
...いうその自暴糞(やけくそ)な出放題な言い草の口裏には...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...其で其樣(そん)なに自棄糞(やけくそ)になつてるんだね...
徳田秋聲 「絶望」
...拠所(よんどころ)なく新しい馬糞に過燐酸(かりんさん)を混じて使った...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...胸糞の悪い頭痛がする...
豊島与志雄 「反抗」
...生臭坊主の糞(くそ)坊主です...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...女の手か」「雌雄(めすおす)も解らないほどの下手(へた)っ糞(くそ)な筆蹟(て)ですよ」「手を変えて書いたんだろう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...糞味噌にやっつけられているようであった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...その網の間からおしっこや糞(ふん)が抽斗の中へ洩れて何時も清潔な処に動物がいるように考案した鳥籠風な小舎...
細井和喜蔵 「モルモット」
...いちいちそのこと自身にいやに糞真面目な理屈がついて廻っていて...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...猫犬が自分の糞尿を尋ねて垂れ加え...
南方熊楠 「十二支考」
...……何糞(なにくそ)……と冷笑しながら……...
夢野久作 「けむりを吐かぬ煙突」
...――この小牛は糞が牛らしくなく固くて...
横光利一 「夜の靴」
...むしろこの時においていさぎよく降伏いたしてはどうだ」「糞ウくらえ!」唾をしてその首を獅子のごとく左右に振り猛った...
吉川英治 「三国志」
...この糞蛙(くそがえる)」ふいに...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索