...一むかし取つたる杵柄、如何なる嶮山でも、何の糞と侮りて、靴穿きたるまゝ、洋服のづぼんもまくらず、即ち別に毫も旅仕度せずに、山にのぼりしが、心ばかりは、むかしにて、十年來、自墮落にもちくづしたる身體の力は、もとのやうにも無し...
大町桂月 「妙義山の五日」
...4.百姓は獸糞を掃除する熊手に凭れて牛小屋のなかから外を見てゐた...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...さきにも鳥渡言つて置いたやうに金魚の糞のやうな無意志の生活をしてゐたのであつて...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...野糞(のぐそ)放(ひ)る外(そと)が浜辺(はまべ)や瑰花(まいくわいくわ)大沼(一)津軽(つがる)海峡を四時間に駛(は)せて...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
......
中島敦 「河馬」
...▲鹿の糞霧の吹きつけるなかを山蔭へおりる...
長塚節 「鉛筆日抄」
...手の垢(あか)や鼻糞(はなくそ)を丸めて丸薬(がんやく)を作って...
夏目漱石 「思い出す事など」
...――鼻糞を掘ったり欠伸(あくび)をしたり...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...下手糞(へたくそ)な按摩で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この糞のにおいのする仕事着にでも近づいて来るだろうかってことを考えてるんさ...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...昆布の林で脱糞したときの人魚ののうのうとした表情...
火野葦平 「人魚」
...半纏の男達はスコップで糞尿壺を埋めていたらしかった...
火野葦平 「糞尿譚」
...と私は糞度胸(くそどきょう)を据えて黒珈琲(ブラック・コオフィイ)を飲みかけようとした途端(とたん)に...
堀辰雄 「鳥料理」
...しょせんは糞土の牆(しょう)だろう...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...糞の中には一寸ばかりに噛(か)み砕ける篠竹あり...
柳田国男 「山の人生」
...馬糞(まぐそ)臭(くそ)うてたまらん...
吉川英治 「剣の四君子」
...夜の野良犬と夕方の鴉と朝の牛の糞(ふん)だけは除かれなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...尾花(おばな)や蒲公英(たんぽぽ)にばかり野糞(のぐそ)をしてフラフラ生きているような人間になって...
吉川英治 「増長天王」
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