...その極めて精緻なのに感服したと云(い)うことです...
石原純 「杉田玄白」
...適当の注意と精緻なる材料の審査とを要するのみ...
高木敏雄 「比較神話学」
...ドリーシュの可なりに精緻なその生気説乃至目的論が...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...ヨハン・セバスチアン・バッハやラモーなどの精緻なあるいは巧妙な楽句に比べると...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...独特の精緻な風格を増してきて...
豊島与志雄 「十一谷義三郎を語る」
...あの精緻な追求や仮託は...
豊島与志雄 「文学に於ける構想力」
...その後原子核の分野で極度に発展した複雑精緻な諸論文に比しては...
中谷宇吉郎 「湯川秀樹さんのこと」
...彼は精緻な自然の觀察者である...
夏目漱石 「「土」に就て」
...質實剛健の性格と乾坤一擲的の氣魄と冷靜精緻なる頭腦とを具備した眞に理想的の米國式英雄であつて...
成瀬無極 「「トンネル」に就いて」
...繊細精緻なる句は一々に引例に及ばざるべしといへども...
正岡子規 「俳諧大要」
...昔のエジプト人たちの知らなかった生理の知識によって人間の眼の構造の精緻なことを感嘆する私たちのよろこばしい驚きはますます深くゆたかにされている...
宮本百合子 「幸福の感覚」
...今が今まで見たこともない製材工場へやって来て、巨大な、精緻な機械が、梁みたいに大きな木材を片はじからパンのように截って廻っているのを目撃したら、誰しも感歎する...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...人間の貴重で精緻な体をふっ飛ばす暴力はやり切れません...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...(b)あの精緻な議論にしてもただ説教に役立つばかりである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...村々の同胞は、いなか者という名がふさわしくない程に、精緻なる情操と、機敏な感覚とを夙くからもって居た...
柳田國男 「夢と文芸」
...精緻な手を入れた換玉(かえだま)である事を...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...方形は驚くべき複雑精緻な変貌を重ねて来て...
横光利一 「旅愁」
...硯に対して一度思いを深めるべきでここにもつとも精緻な文化の華が潜んでいるとも語った...
横光利一 「旅愁」
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