...荒木又右衛門(あらきまたゑもん)や何かのやうに精悍(せいかん)一点張りの野蛮人にはあらず...
芥川龍之介 「田端人」
...敵手が単に無智なるがために精悍なる台湾生蕃の如き土族でなかつたと考へて...
太宰治 「津軽」
...だが禅坊主のやうな頭骨をした精悍な表情の神原喜作を見た...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...鋼鉄のような弾性と剛性を備えた肉体全体に精悍(せいかん)で隼(はやぶさ)のような気魄(きはく)のひらめきが見える...
寺田寅彦 「映画雑感(3[#「3」はローマ数字、1-13-23])」
...一層精悍(かいがい)しい様子をして立働いていた...
徳田秋声 「あらくれ」
...米友は四尺足らずの精悍(せいかん)な小男であるのに...
中里介山 「大菩薩峠」
...ただ精悍無比(せいかんむひ)……というよりは無茶なその挙動が...
中里介山 「大菩薩峠」
...思想的にも人間的にも精悍(せいかん)であったであろう時期に...
長谷川時雨 「遠藤(岩野)清子」
...亀吉の精悍(せいかん)さが眼立ちもしたが...
長谷川時雨 「鉄くそぶとり」
...見るからに精悍そうな軍鶏が...
久生十蘭 「春の山」
...この精悍な博徒の...
火野葦平 「花と龍」
...騎士的名声をになう精悍勇猛の連中で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「なぐり合い」
...精悍(せいかん)に照らしだしている...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...その精悍な職工団の一団の前で...
横光利一 「上海」
...ぶるんぶるんと精悍な胴ぶるいをしているような...
横光利一 「旅愁」
...まず精悍なる雲霧が...
吉川英治 「江戸三国志」
...社会の縄墨(じょうぼく)を逸した飄骨(ひょうこつ)と精悍(せいかん)なだけに...
吉川英治 「新書太閤記」
...その折の野武士的な精悍(せいかん)さと鋭い熊鷹眼(くまたかまなこ)とは今も四郎の容貌にすこしの変りもなかった...
吉川英治 「親鸞」
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