...まるで血液が精分の強い食物のために皮膚の血管の一つ一つに漲つてでもゐるやうである...
アーヴィング 高垣松雄訳 「驛傳馬車」
...せめて山の中では酒精分は一切口に入れまいと思った...
石川欣一 「可愛い山」
...身体に精分がつくわけはない...
豊島与志雄 「変な男」
...淡路流の槍に米友様の精分が入ってるこの槍先の田楽串(でんがくざし)が一本食ってみてえ奴は...
中里介山 「大菩薩峠」
...どうしてそう急に精分が抜けたのか――それにはまた一つの原因がある――」この辺へ来て...
中里介山 「大菩薩峠」
...いよいよ精分が抜けてしまった...
中里介山 「大菩薩峠」
...イヤなおばさんなるものにさんざん精分を抜かれて...
中里介山 「大菩薩峠」
...なお毛唐人の精分を残らずこっちへ吸い上げてしまえば...
中里介山 「大菩薩峠」
...宮川べりで精分を抜かれておいでなすったから...
中里介山 「大菩薩峠」
...ゴムロールは胚芽の精分をすっかり磨りつぶして死米としてしまうとか...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...――と申しましても私は如何程酒精分を摂っても足許を掬(すく)われる程所謂泥酔の境地は嘗(かつ)て経験した事無く...
西尾正 「陳情書」
...ビールに似た軽い酒精分を含み...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...お灸で発生する精分の薬の注射をやっていました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あれは牛乳から取った極(ご)くの精分で大層消化を助けるそうですが...
村井弦斎 「食道楽」
...我邦のお米は気候風土の関係から大層(たいそう)糊精分(こせいぶん)に富んで外国のお米よりも味が良うございます...
村井弦斎 「食道楽」
...新米はこの糊精分が一層多くって味は結構ですけれども消化が悪くってかつ逆上(のぼ)せる気味がありますからあまり新しいお米は食べない方がよし...
村井弦斎 「食道楽」
...しかしそこへにがりをおとすと豆腐になる精分だけが寄り集まる...
山本周五郎 「日本婦道記」
...全身の毛穴から強い精分や塩分はみんな絞り出されてしまうのです...
吉川英治 「醤油仏」
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