...極(ごく)細(ほそ)い真書(しんか)きで精々(せっせ)と写し物をしているので...
内田魯庵 「鴎外博士の追憶」
...精々あでやかにお頼み申しますぜ」「ウフフフフ...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...精々、今日捕まった案内人が会長で、それから某駅に、支部長が一人いるだけなんだ...
大阪圭吉 「三の字旅行会」
...食物(くひもの)も精々(せい/″\)手軽なところを選ばねばならない事になる...
薄田泣菫 「茶話」
...精々上品な口元をして言つた...
薄田泣菫 「茶話」
...精々(せいぜい)猫好きで通してゐたのだが...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...精々、出世しなくても不平を云わずにおとなしく働けるだけの腹が出来れば、それ以上の必要はないのである...
戸坂潤 「社会時評」
...自分の心を不安にするのが精々の落ちだろう...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...「どうぞ精々よく作つて下さい...
長與善郎 「青銅の基督」
...何にも判りませんよ」「それが面目のない面(つら)かい」「これでも精々萎(しを)れて居るつもりなんだが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...精々二十五六でせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...憚(はゞか)り乍(なが)ら親分が頭痛に病んでゐる家賃や酒屋の拂ひは精々二分か一兩...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...まア精々五百兩か千兩といふところで御座いませう」主人久八が死に際に言つたといふ『七千兩』とは大分隔(へだた)りがあります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...格子と格子の間は精々五寸位...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...家内や伜は其處に住んで居ります、へエ」「主人は居なかつた相だが、毎晩家を明けるのか」「いえ、そんなことは御座いません、お萬さんがいらつしやるので、外へのお泊りは、精々三日に一度、七日に一度」番頭の爲之助はクスリと笑つた樣子ですが、場合が場合だけに、その笑ひを噛み殺してしまひました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...遂に不精々々に鎮火(しめ)る...
二葉亭四迷 「浮雲」
...こんな場合は空前にして絶後なんだから弱輩共は精々喜んでおいたらよからうよ...
牧野信一 「青白き公園」
...眉をしかめるくらいが精々で...
山本周五郎 「いさましい話」
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