...「しかし、眇がどんな悪評を立てようとも、それは精々、己を不快にさせるくらいだ...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...精々(せいぜい)二三尺四方ぐらいだった...
芥川龍之介 「冬」
...私は一目してそれ等が、三百年昔のものではなく、精々三、四十年位にしかならぬことを知るに充分な位、日本の陶器に関する知識を持っていた...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...身と心とを神に任(まか)せ精々(せいせい)以て働きて見よ...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...皆さんの知合にもしか詩人があるなら精々御馳走する事だ...
薄田泣菫 「茶話」
...そこは例の附け届けを十分にたっぷり薬を利(き)かしてあるので断りもならず精々如才(じょさい)なく扱(あつか)っていた...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...脈のある間に精々搾って置いて...
谷崎潤一郎 「幇間」
...之等下情に通じた貴族達も別に大したことをしたのではなくて精々が...
戸坂潤 「社会時評」
...精々、出世しなくても不平を云わずにおとなしく働けるだけの腹が出来れば、それ以上の必要はないのである...
戸坂潤 「社会時評」
...京都帝大に招かれて文化史か精々美学の講座でも持てば好いものを...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...従って本当の倫理学はどうも日本或は精々古代支那に於てしか見出されず...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...さもなくば精々自然科学と社会(文化・精神・)科学とを二元論的にしか処理出来ない認識論であった...
戸坂潤 「認識論としての文芸学」
...それだによってこの際はお互によく気をつけ精々間違のないように慎んでおるがよかろう……...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...精々三十兩位のものでございます」「幾才から奉公して居るんだ」「十三の春からでございます」「十三年の間に三十兩か」「へエ――」平次は此驚く可き奉公人を默つて見詰(みつ)める外はありませんでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...精々お師匠さんくらゐが止りで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...千兩箱が精々一貫目や一貫五百目そこ/\では...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...店のものは不精々々に返辞をしている...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...北をつたとしても精々三筋しかありませぬ...
柳田國男 「蒼海を望みて思ふ」
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