...粽(ちまき)ゆふ片手にはさむひたひ髪芭蕉自身はこの句のことを「物語の体(たい)」と称したさうである...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...二皿の粽を及び腰に手を延べて茶ぶ台の上に出した...
伊藤左千夫 「浜菊」
...矢代君粽の趣味など嬉しがるのは...
伊藤左千夫 「浜菊」
...新しい本を読んだとて粽の趣味が解らんのは当り前さ」岡村は厭(いや)な冷(ひやや)かな笑いをして予を正面に見たが...
伊藤左千夫 「浜菊」
...家のさまは人を待つけしきにて庭には枝豆も作れりおもしろの八瀬の竈風呂いま焚かば庭なる芋も堀らせてむもの大原粽巻く笹のひろ葉を大原のふりにし郷は秋の日に干す寂光院途上鴨跖草の花のみだれに押しつけてあまたも干せる山の眞柴か寂光院あさ/\の佛のために伐りにけむ柴苑は淋し花なしにして堅田浮御堂小波のさや/\來よる葦村の花にもつかぬ夕蜻蛉かも廿九日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...代助は粽(ちまき)の一(ひと)つを振子(ふりこ)の様に振(ふ)りながら...
夏目漱石 「それから」
...下女が好い香(におい)のする葛(くず)の粽(ちまき)を...
夏目漱石 「それから」
...粽(ちまき)五把(は)...
長谷川時雨 「尼たちへの消息」
...粽皮アリテ木上ヲ包ム...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...芭蕉集中精細なるものを求むるに粽(ちまき)結(ゆふ)片手にはさむ額髪五月雨や色紙へぎたる壁の跡のごとき比較的にしか思わるるあるのみ...
正岡子規 「俳人蕪村」
...もとは粽(ちまき)を作りませんでした...
柳田國男 「日本の伝説」
...良人の歌に初夏の熊岳河の蘆の葉を支那の粽は三角に巻く×再び農事試験所に帰り...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...浅黄布の粽頭巾(ちまきずきん)に...
吉川英治 「私本太平記」
...粽(ちまき)の皮を剥(む)かずに口へ入れたとか...
吉川英治 「新書太閤記」
...献上の粽(ちまき)とを...
吉川英治 「新書太閤記」
...志(こころざし)の粽(ちまき)だからといって...
吉川英治 「新書太閤記」
...剥(は)ぎ取った粽の笹が...
吉川英治 「新書太閤記」
...弟と笹の葉とりに山に行き粽(ちまき)つくりし土産(みやげ)物ばなしここへ来る一里あまりの田のへりを近路(ちかみち)といへばまた帰り行くなどと歌われている...
和辻哲郎 「歌集『涌井』を読む」
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