...声も立てずに粛然とそびえているその姿には...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...夫人は粛然として見送りながら...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...粛然と身を起して...
泉鏡花 「海城発電」
...天平期の完成に伴う諸弊害を一掃せられた英邁(えいまい)な桓武天皇の平安遷都前後にあたってもう一度人心は粛然として真剣の気を取りもどした...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...まるで彫刻の様に粛然と二列に並んで立っていた...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...人々は最早、事の奇異を忘れ、粛然として、この詩人の薄倖(はっこう)を嘆じた...
中島敦 「山月記」
...すかして見ると女は粛然として...
夏目漱石 「草枕」
...眼を伏せて粛然としていたが...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...粛然としてしまった...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...青年 ……(受取ったハガキの表をジッと見、やがて裏を返して見詰め、粛然として読む...
三好十郎 「おりき」
...」「わたくし共は粛然として先生に拝辞した...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...そうして雨の中に悽愴(せいそう)粛然と明けて行く二重橋を拝しまして...
夢野久作 「暗黒公使」
...縁者の一群(いちぐん)粛然と遺骨の箱に従ふ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...閣議は粛然と無言の緊張を持つのみで...
吉川英治 「三国志」
...両家一統、家臣たちまで、その間、ほのかに、杯事を拝しながら、粛然と、ひかえている...
吉川英治 「私本太平記」
...粛然としていた中に...
吉川英治 「親鸞」
...粛然と見くらべた...
吉川英治 「親鸞」
...夢殿の印象は粛然としたものであった...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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