...夫人は粛然として見送りながら...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...粛然と鳴りをしずめた群集の前に立った...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...更に彼の粛然として壮烈な戦歿が伝へられた...
辰野隆 「旧友の死」
...身心粛然として勉強する...
種田山頭火 「一草庵日記」
...色と音と薫香(くんかう)との感激をもて一糸を乱さず織りなされた錦襴(きんらん)の帷(とばり)の粛然として垂れたるが如くなれと心に念じた...
永井荷風 「黄昏の地中海」
...人々は最早、事の奇異を忘れ、粛然として、この詩人の薄倖(はっこう)を嘆じた...
中島敦 「山月記」
...粛然として横たわっているのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...粛然と静まり返って居ります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一同は粛然と首低(うなだ)れた...
夢野久作 「暗黒公使」
...某氏は粛然としていた...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...粛然とした場内に...
横光利一 「欧洲紀行」
...頭の心が急に突きぬかれていくような酸素の匂いで粛然とした気持ちが暫く二人を捕えて放さなかった...
横光利一 「旅愁」
...粛然とした慎しみで...
横光利一 「旅愁」
...縁者の一群(いちぐん)粛然と遺骨の箱に従ふ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...運の悪い娘(こ)でしょう」粛然として...
吉川英治 「治郎吉格子」
...粛然と口を結んだまま立ち並んでいた...
吉川英治 「新書太閤記」
...粛然と見くらべた...
吉川英治 「親鸞」
...「…………」青年たちは、どう見るか、粛然と、この古恋(ふるこい)の再会に立会っていた...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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