...粛然と杯(さかづき)を巡(めぐ)らすに過ぎず...
泉鏡花 「愛と婚姻」
...粛然と身を起して...
泉鏡花 「海城発電」
...この時そばに聴いていた人達は粛然としていささか敬意を払った...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...天平期の完成に伴う諸弊害を一掃せられた英邁(えいまい)な桓武天皇の平安遷都前後にあたってもう一度人心は粛然として真剣の気を取りもどした...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...彼らは粛然としかし何らの権威もなく王位を去った...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...人々は最早、事の奇異を忘れ、粛然として、この詩人の薄倖(はっこう)を嘆じた...
中島敦 「山月記」
...すかして見ると女は粛然として...
夏目漱石 「草枕」
...このように……」粛然として...
野村胡堂 「胡堂百話」
...皆々、おのれの心の中を見抜かれたような心地がし、粛然とし、打萎れ、つくづくとなり、その後(あと)で、力を合せて解剖の勉強に出精しようと誓い合ったことでござる...
久生十蘭 「玉取物語」
...青年 ……(受取ったハガキの表をジッと見、やがて裏を返して見詰め、粛然として読む...
三好十郎 「おりき」
...一同は粛然と首低(うなだ)れた...
夢野久作 「暗黒公使」
...粛然とした慎しみで...
横光利一 「旅愁」
...今まで見られなかった粛然としたものに変っていった...
横光利一 「旅愁」
...粛然と立ちならんでいたのは...
吉川英治 「篝火の女」
...粛然としていた中に...
吉川英治 「親鸞」
...粛然と見くらべた...
吉川英治 「親鸞」
...ところがその粛然とした全体の感じが奇妙にあの櫺子窓によって強調せられることになるのです...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...夢殿の印象は粛然としたものであった...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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