...当時なお甚(はなは)だ構造の粗末なものではあったが...
大隈重信 「東西両文明の調和を論じて帝国の将来に及ぶ」
...粗末な椅子と卓子(テーブル)と麦酒(ビール)の空壜(あきびん)と会話辞書と――そこらに見えるものは何一つ耳を持つてはゐなかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...これに反して田舎に売れ行く粗末な品物を...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...両手に捧げて来た粗末な檻の中に蠢(うごめ)いていたのは...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...銀座通りの家屋の低く粗末なのに驚いた...
寺田寅彦 「柿の種」
...妹さんの手紙は粗末な藁半紙に片假名の鉛筆書で二枚一杯にお母さんの樣子を報じてありました...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...ステンカラの粗末な洋服を着ており...
徳田秋声 「縮図」
...粗末な本箱や机や灰皿やインク壺や柱掛の暦(こよみ)など...
豊島与志雄 「白い朝」
...そこには一つの粗末な寝床と一つの糸取り車と二つの木の椅子とがあるきりだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...馬方のような粗末な靴(くつ)と...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そしてまた元の粗末な麻のシャツや股引(ももひき)...
トルストイ Tolstoi 菊池寛訳 「イワンの馬鹿」
...まことに粗末な品でござりますれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...粗末な石畳みの通路を作り...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...至って粗末な略画乍ら...
野村胡堂 「芳年写生帖」
...牧場(まきば)にある様な粗末な木戸を押して入(はひ)ると中門(ちゆうもん)の前まで真直(まつすぐ)に一町(ちやう)程細い路(みち)の両側に繁つたマロニエの木立(こだち)が続く...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...總てこの木細工は粗末な荒削りで...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...丸木組みのいたって粗末なこの吉水禅房の道場などは...
吉川英治 「親鸞」
...粗末な椅子を窓に寄せて滝を見ながら麦酒をとり寄せた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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