...他の星よりも粗悪な素材でできているなどというようなことはないという意見であった...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...陸稲(おかぼ)の粗悪な餅はいつまでもやわらかで伸びるものですが...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...自分は、わずかに、粗悪な雑誌の、無名の下手な漫画家になる事が出来ただけでした...
太宰治 「人間失格」
...飢餓はパン屋の棚の少しばかり並べてある粗悪なパンの小さな一塊ずつに書いてある文字であった...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...手付け金は粗悪なフロリン銀貨のようなものをくれたと...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「曲れる者」
...粗悪なウイスキーは...
豊島与志雄 「朝やけ」
...彼女は少しも教養のない粗悪な趣味をもってはいたが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...粗悪なラシャやセルや綾織布(あやおり)やトルコ帽などを製造して五十万ばかりを得たのだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...今や世を挙げて西洋模倣の粗悪なる毒々しき色彩衣服に書籍に家屋に器具に到処(いたるところ)人の目を脅(おびやか)すにつけて...
永井荷風 「一夕」
...蝋燭に用うる蝋の粗悪なもので十分なのである...
中谷宇吉郎 「雪」
...なんだか自分の粗悪な「芸」の着物を...
正岡容 「初看板」
...1)Id. vol. iii. p. 153.2)Id. vol. iv. p. 22.3)Id. vol. iii. c. iii. p. 68; c. vii. p. 178; vol. i. c. xiii. p. 353.貧困が、粗悪な食物、及びそれとほとんど常に伴う不潔と相俟って、悪性の疾病を加重することは、人のよく知るところであるが、この種の悲惨は一般に広く存在しているようである...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...最も粗悪な「私小説」作家と同じ位に...
三好十郎 「恐怖の季節」
...お湯に入って一時間も二時間も磨いて磨いて遂には顔の皮まで摺(す)り剥(む)く人があるけれどもそれがためにかえって食物の事を度外視して粗悪な無造作な手数のかからない生煮(なまにえ)の物ばかり食べるから顔の光沢(つや)は内部から悪くなって青いような黒いような陰気な色になり...
村井弦斎 「食道楽」
...徳を守る世界において粗悪なる品質や...
柳宗悦 「工藝の道」
...粗悪な品との意味に転じた...
柳宗悦 「工藝の道」
...粗悪なものを産みつつある事を熟知しています...
柳宗悦 「民藝四十年」
...それは警視庁専用のもので粗悪な安っぽいものであるが...
夢野久作 「暗黒公使」
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